アミ アレクサンドル マテュッシ(ami alexandre mattiussi)の2019-20年秋冬コレクションが1月17日、パリのシャイヨー宮で発表された。
前シーズンにオフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™が使用したこの場所を「僕ならこう使う」と言わんばかりの演出。カーテンで仕切れたオートクチュール風の会場をモデルがウォーキングし、フィナーレにそのカーテンが開くと、ゲストの前にはエッフェル塔が広がるという仕掛け。当然ゲストは全員エッフェル塔の方向を向いている。海外からのブランドやデザイナーがパリで作品を発表し、ダイバーシティーがテーマの中、パリで育ったアレクサンドルらしい返答。フィナーレは大きな拍手に包まれた。
今シーズンは、オーセンティックなクラシカルなコートを基本にパリ男のカラーのバランスを見せた。全身ホワイトの縮重ウールのコーディネートがファーストルック。ウィメンズを挟みつつスタートしたコレクションは黒、ベージュを基本にネイビー、ブラウン、カーキに、サックスのシャツ、ミントグリーンのウールコート、千鳥格子のジャケット、ヘリンボーンのツイードコート、チェックのタイロッケンなど、コンテンツは控えめにシンプルに力強いアイテムを中心にフレンチスタイルを提案。
多様化の流れの中でルーツの明確化は今シーズンのメンズファッションの大きなテーマ。その背景のなかでパリをホームにするブランドであることを明確に示した同ブランドを代表するコレクションとなった。
Text: Tatsuya Noda