「上品會(じょうぼんかい)」は、日本の文化が培ってきた「織(おり)・染(そめ)・繍(ししゅう)・絞(しぼり)・絣(かすり)」の染織五芸の向上を目指し、1936(昭和11)年に高島屋が創設した現在も続く呉服の展示会です。
飜古為新(ほんこいしん)*の精神の下、古典や伝統を踏まえながらも、それらに縛られることなく制作された作品は、染織の世界に新風を吹き込みました。その志は現在も受け継がれ、「秋場(あきば)、岩田(いわた)、川島(かわしま)、大羊居(たいようきょ)、千切屋(ちきりや)、千總(ちそう)、矢代仁(やしろに)」の八名家の同人とともに、染織五芸の最高峰を目指して意欲的に挑戦し続けています。
また、京都の小さな呉服商であった高島屋は、明治中期、美術染織品の貿易業を始め、世界各国で開催された博覧会へも積極的に参加し、“美術染織の高島屋”の名を一層広めることになりました。
本展では、高島屋史料館(大阪)に収蔵されている過去からの上品會作品をはじめ、高島屋の歴史を紐解く史料の数々約100点を特別展示。東洋の珠玉・染織五芸の最高峰を目指す上品會の、過去から現在に至るまでの取組みがご覧いただけます。
*飜古為新(ほんこいしん-古きを飜(ひるがえ)して新しきを為す-)「温故知新」に因んで初代龍村平蔵が考えた造語
【展覧内容】
美術染織と高島屋
1831(天保2)年に京都で創業した高島屋は、明治に入ると次第に外国人客を迎えるようになり、1893(明治26)年に京都、1900年には横浜に貿易店を開店し、貿易業を拡大しました。その後、世界各国の博覧会への出品・受賞を重ね、“美術染織の髙島屋”の名を広めることになりました。
本展では、貿易店門標やポスター、海外向けパンフレットやカタログ、海外展覧会賞状・賞牌などを展示 いたします。
百選会と流行の発信
高島屋の呉服の歴史では、2つの呉服催事が上げられます。昭和期に“染織の高島屋本来の使命”を発揮し、日本染織の最高峰を志す目的で創設された「上品會」。「百選会」はそれ以前の1913(大正2)年に「新しい着物の流行は高島屋がつくる」と創設され、1994(平成6)年に休止するまでに183回開催し、人気を集めた名物催事でした。
歌人・与謝野晶子ら多くの文化人を顧問に、高島屋が毎回「趣意(テーマ)」と「流行色(テーマカラー)」を設定し、それに基づく「標準図案(デザイン)」を発表。全国の染織業者から新柄呉服を募集・審査を行い、製品化・販売を行っていました。斬新かつ奇抜な「百選会」の呉服は、大変な人気を集め、キモノ界の流行を左右するとも言われたほどでした。
・高島屋史料館×京都女子大学 -戦前の百選会資料からミニチュアキモノを再現
本展では、2021年に高島屋史料館(大阪)で開催した、高島屋創業190周年記念展「キモノ★ア・ラ・モード」における産学連携企画として大学生が制作したミニチュアキモノを展示。現存していない戦前の百選会の着物を、当時の着用写真や図案を参考に、インクジェットプリントで柄から再現。ミニチュアキモノに仕立てた着物を、1/2トルソーにフルセットで着付けを行います。
上品會の取り組み
上品會は「飜古為新(ほんこいしん-古きを飜(ひるがえ)して新しきを為す-)」を会風とし、古典や伝統をふまえながらも縛られることなく、かつ流行にとらわれることなく、時代にふさわしい呉服を創造・発表する場となっています。
作り手である同人と、売り手である高島屋が、切磋琢磨して日本染織の最高峰を目指しています。美術作品や芸術家との関わりも深く、2011年の髙島屋創業180周年の際には、北野恒富≪婦人図(1929年に大阪店で開催した「キモノの大阪」春季大展覧会ポスター原画)≫から着想を得た、森村泰昌氏による新作展「絵写真+The KIMONO」が開催され、1939年の上品會作品「豊公錦綾文」を身に纏ったセルフポートレート作品が発表されました。本展では、セルフポートレート作品と共に「豊公錦綾文」を特別展示いたします。
■お問い合わせ
日本橋高島屋:03-3211-4111(代表)
飜古為新(ほんこいしん)*の精神の下、古典や伝統を踏まえながらも、それらに縛られることなく制作された作品は、染織の世界に新風を吹き込みました。その志は現在も受け継がれ、「秋場(あきば)、岩田(いわた)、川島(かわしま)、大羊居(たいようきょ)、千切屋(ちきりや)、千總(ちそう)、矢代仁(やしろに)」の八名家の同人とともに、染織五芸の最高峰を目指して意欲的に挑戦し続けています。
また、京都の小さな呉服商であった高島屋は、明治中期、美術染織品の貿易業を始め、世界各国で開催された博覧会へも積極的に参加し、“美術染織の高島屋”の名を一層広めることになりました。
本展では、高島屋史料館(大阪)に収蔵されている過去からの上品會作品をはじめ、高島屋の歴史を紐解く史料の数々約100点を特別展示。東洋の珠玉・染織五芸の最高峰を目指す上品會の、過去から現在に至るまでの取組みがご覧いただけます。
*飜古為新(ほんこいしん-古きを飜(ひるがえ)して新しきを為す-)「温故知新」に因んで初代龍村平蔵が考えた造語
【展覧内容】
美術染織と高島屋
1831(天保2)年に京都で創業した高島屋は、明治に入ると次第に外国人客を迎えるようになり、1893(明治26)年に京都、1900年には横浜に貿易店を開店し、貿易業を拡大しました。その後、世界各国の博覧会への出品・受賞を重ね、“美術染織の髙島屋”の名を広めることになりました。
本展では、貿易店門標やポスター、海外向けパンフレットやカタログ、海外展覧会賞状・賞牌などを展示 いたします。
百選会と流行の発信
高島屋の呉服の歴史では、2つの呉服催事が上げられます。昭和期に“染織の高島屋本来の使命”を発揮し、日本染織の最高峰を志す目的で創設された「上品會」。「百選会」はそれ以前の1913(大正2)年に「新しい着物の流行は高島屋がつくる」と創設され、1994(平成6)年に休止するまでに183回開催し、人気を集めた名物催事でした。
歌人・与謝野晶子ら多くの文化人を顧問に、高島屋が毎回「趣意(テーマ)」と「流行色(テーマカラー)」を設定し、それに基づく「標準図案(デザイン)」を発表。全国の染織業者から新柄呉服を募集・審査を行い、製品化・販売を行っていました。斬新かつ奇抜な「百選会」の呉服は、大変な人気を集め、キモノ界の流行を左右するとも言われたほどでした。
・高島屋史料館×京都女子大学 -戦前の百選会資料からミニチュアキモノを再現
本展では、2021年に高島屋史料館(大阪)で開催した、高島屋創業190周年記念展「キモノ★ア・ラ・モード」における産学連携企画として大学生が制作したミニチュアキモノを展示。現存していない戦前の百選会の着物を、当時の着用写真や図案を参考に、インクジェットプリントで柄から再現。ミニチュアキモノに仕立てた着物を、1/2トルソーにフルセットで着付けを行います。
上品會の取り組み
上品會は「飜古為新(ほんこいしん-古きを飜(ひるがえ)して新しきを為す-)」を会風とし、古典や伝統をふまえながらも縛られることなく、かつ流行にとらわれることなく、時代にふさわしい呉服を創造・発表する場となっています。
作り手である同人と、売り手である高島屋が、切磋琢磨して日本染織の最高峰を目指しています。美術作品や芸術家との関わりも深く、2011年の髙島屋創業180周年の際には、北野恒富≪婦人図(1929年に大阪店で開催した「キモノの大阪」春季大展覧会ポスター原画)≫から着想を得た、森村泰昌氏による新作展「絵写真+The KIMONO」が開催され、1939年の上品會作品「豊公錦綾文」を身に纏ったセルフポートレート作品が発表されました。本展では、セルフポートレート作品と共に「豊公錦綾文」を特別展示いたします。
≪日本橋高島屋 開店90年記念≫ 上品會の秘密展
■会 期:2023年1月11日(水)→ 16日(月)※最終日は午後6時閉場
■会 場:日本橋高島屋S.C.本館8階ホール
■入場料:無料
■会 期:2023年1月11日(水)→ 16日(月)※最終日は午後6時閉場
■会 場:日本橋高島屋S.C.本館8階ホール
■入場料:無料
■お問い合わせ
日本橋高島屋:03-3211-4111(代表)