三越伊勢丹HDは今年12月、東京丸の内に新業態のメンズのセレクトストアを出店する。4月に六本木の東京ミッドタウンにオープンしたレディスの高感度な独自編集ストア「イセタンサローネ」に続く、新宿本店を母店とする中型店の出店で、メンズとしては羽田空港に2店舗出店しているイセタンハネダストアに続く新業態となる。
場所は仲通りの新東京ビル1階。丸の内エリアを行動範囲とする高感度なビジネスマンに向け、新宿本店メンズ館のサロン機能を持たせ、従来百貨店の顧客として取り込めていなかった層の獲得、また既存のメンズ館の顧客に向け利便性を高める方針。
同社では国内の中小型の多店舗化と収益性の向上を中期計画のひとつに据えており、イセタンサローネに代表されるセレクトストアを2018年度内に8店舗(イセタン羽田ストアを除き)出店する計画で、売り上げは18年度95億円を見込む。来春計画されている大名古屋ビルジングへの出店をはじめ、新しいビジネスモデルとして地方の大都市への出店も検討していく方針。現在3店舗展開されているイセタン羽田ストアは18年度に6店舗に拡大が予定されている。
「六本木に出店したイセタンサローネは、新宿店の来店率が低い港区のお客さまのラグジュアリーなニーズを知りたいというマーケティングの側面があり、今回の丸の内についても同様。将来的に見て、百貨店業態の大型店の新規出店は難しいと予測されるなかで、我々が出店できていないエリア、例えば神戸などは魅力的」と大西洋・三越伊勢丹HD代表取締役社長執行役員。
同社の中小型店舗のチャネル拡大多店舗化は今期以降加速する予定で、11月に東急プラザ表参道原宿店に120平米で出店するコスメ編集ショップ「イセタンミラー」は、現在の10店舗から18年度19店舗を計画。エリアごとの特性を生かした編集ショップ「エムアイプラザ」は現在の70店舗から18年度140店舗を目標に、中小型のサテライト店舗を現在の92店舗から18年度内に180店舗600億円体制に拡充する計画で、今期だけで前年比80億円の増収を見込んでいる。