文化、世代、スタイルを超えて構成されたダイナミックなワードローブ。KENZO 2023年秋冬ウィメンズ、メンズのショーで、アーティスティックディレクターNigoは自身の世界観と高田賢三のレガシーとの類似点と相違点両方に着目しました。このコレクションでは同時に、彼が長年イギリス、アメリカ、日本のストリートカルチャーの相互作用へ対し感じていた魅力を探求するものでもあります。メゾンに対する包括的なビジョンを洗練ささせながら、自身の受けた影響をアーカイブのバックボーンに基づき構築します。
サル・プレイエルでは1966カルテットがスウィンギングの60年代に始まった、ジャンルを超えた折衷主義を反映してビートルズを弦楽器で演奏します。彼の膨大なビンテージウエアのアーカイブの大部分は当時のロッカーとモッズワードローブに捧げられており、1970年生まれのNigoにとって基本的な時代でもあります。そのスピリットは、Hunterとのコラボレーションで表現された英国のカントリーウエアの研究へと進化します。そしてそれはNigoのキャリアに絶え間なく影響を与えてきたヴィヴィアン・ウエストウッドのレガシーを反映しています。それらを形成する要素は1980年代の高田賢三の“生きる喜び”と KENZOでのNigoの構造的枠組みを支える伝統的な日本の構造と本物のアメリカのワークウエアとの対話によって支えられています。
シルエット
1960年代の若者に合わせたモッズスーツのシルエットで襟のないチュニックジャケット、テーパードパンツ、ミニスカート。これらは1980年代の高田賢三の作品やBボーイのカルチャーを反映した自由なスーツの形、そして伝統的な日本の構造まで網羅します。ここでNigoは西洋の文脈と日本の武道着の言語を融合させ、ワークウエアのシルエットに対話を呼び起こします。武士の装からなる剣道着は、Nigoが学生時代に必修で受けた授業で見たもので、Y字型のジャケットクロージャーやボリューミーなボックスプリーツの袴を日本のデニムで解釈しました。
Hunterとのコラボレーションで見せるアウトドア中心の原型は伝統的な国のワードローブをアメリカのワークウエアを鑑みながらも英国原産のキルトシルエットも思い起こさせます。ティアードとフリルのスリップドレスは1980年代の高田賢三スタイルへのオマージュです。
テーマとモチーフ
今コレクションでNigoは東洋と西洋両方のレンズを通し、KENZOプリントのアーカイブを数多くリワークしました。1980年代のブロークンスライプがモチーフのダズルストライプには、チェック、タータンチェック、マイクロフローラル、フラワーストライプ、バトンストライプなどに反映されたパンク調のアンダートーンを。
ローズの地へのオマージュとしてアーカイブから採用したKENZOローズプリントは花瓶や果物、葉から構成されたKimono Camoと並んで登場します。Nigoのメゾンコレクションションを象徴するボケの花はThe Whoの図像に敬意を表し、KENZOターゲットグラフィックとフラワーターゲットプリントで再解釈。
また、東洋のイカットのモチーフに抽象的なテディフラワーのリフを描き、ボケを描きました。そしてジャングルに生息する虎をイメージしたタイガーバッジを大型エンブレムとして採用。バーシティグラフィック、トラベルバッジ、動物のグラフィックに加えて、日本では幸運のシンボルとされる金魚のモチーフが随所に施されています。
素材と技術
日本のキルティング技術である刺子は米粒生地としても知られています。この生地は剣道着にも使用され、KENZOのアーカイブに深く刻まれています。Nigoはナイロン、デニム、ウールベース、ニットウエア、ジャージなど新たな生地表現の開発にこの技術を利用しました。加えて、英国、スコットランド、イタリアのウールのジャガードとフィルクーペ、流動的に洗練されたものから破壊的なデヴォレやヘリテージコーデュロイまで多数のベルベットと並んで登場します。アーカイブの1970年代のレザージャケットに着想を得たパッチワークシャーリングスエードピースは、アメリカのミリタリースタイルで確立されています。デニムは1980年代と90年代に使用されたKENZOジーンズのウォッシュ加工を再現。一部のピースでは布の裏側をプリント飾り、裾をロールアップする事で表に露出されるような効果を狙いました。ニットウエアはアイリッシュ ドニゴール ツイードをスポーティーなケーブルセーターに折り込み、KENZOフェアアイルは3Dニットのマルチカラールレックススレッドで展開します。
バッグ&シューズ
1980年代のKENZOにインスパイアされ、スコットランドのドレスに由来するスポランバッグが今回のコレクションの為に再解釈されました。タッセルはRue Vivienneサッチェルと同じようにコットンとリネンのソフトなホーボーバッグに差し込まれる形に。様々な形状の伝統的な着物ポーチを讃えるようなリバーシブルの巾着も登場します。そして大型のキットバッグは剣道の練習で使用されるものを1980年代のスポーツバッグの文脈で変形させ作成されました。
今コレクションでのシューズの提案は木製の楔で作られ、花で飾られたKENZO Clogによって特徴付けられます。KENZOウエスタンは、オーセンティックなカウボーイブーツにルーツを持つ、アンクルブーツでもあり、チロリアンブーツやトゥスチールのワークブーツにも同様に反映されたアメリカのアーキタイプを思い起こさせます。
スニーカー
新しいスケートスニーカーは1990年代後半のスケートボードカルチャーに見られるスタイルからインスピレーションを得ました。それは高さを低くし、幅を広げたスニーカー、わずかにパッドが入っておりボリューム感のあるガムソール、Nigoの当時の記憶から再現したものです。今コレクションでは本物のランニングシューズ、その構造特性に根ざしたピースも発表します。ハイテク素材とパフォーマンスウエアに使用されるソールから作られたランナーはNigoのデザイン哲学を刺激する、リアルを追求するコンセプトを具現化しています。
アクセサリー
帽子は今コレクションで見られる折衷的影響を体現しています。ハイブリットキャップとして解釈した鹿撃ち帽もまた、英国への敬意を表している一方で、シャプカ、ボブハット、特大の折りたたみ色のベレー帽は原型に遊び心を加えました。モヒカンフリンジをあしらったニット帽はパンクのシルエットを連想させます。レトロな3Dロゴバックル付きのベルトはモッズグラフィックを模倣し、大きなスクエアのネームプレートバックルはヒップホップ全盛期を呼び起こします。その他にもロープのようなメタルネックレスや、Kをあしらったオーバーサイズのネックレスなども登場します。
Production by
Back of the House
Show music by
1966 Quartet
Content production by
Kitten
Styling by
Marq Rise
Casting by
Samuel Ellis Scheinman
for DM CASTING
Make up by
Lucy Bridge
and the Make Up For Ever team
Hair by
Anthony Turner using Dyson
Nails by
Ama Quashie
サル・プレイエルでは1966カルテットがスウィンギングの60年代に始まった、ジャンルを超えた折衷主義を反映してビートルズを弦楽器で演奏します。彼の膨大なビンテージウエアのアーカイブの大部分は当時のロッカーとモッズワードローブに捧げられており、1970年生まれのNigoにとって基本的な時代でもあります。そのスピリットは、Hunterとのコラボレーションで表現された英国のカントリーウエアの研究へと進化します。そしてそれはNigoのキャリアに絶え間なく影響を与えてきたヴィヴィアン・ウエストウッドのレガシーを反映しています。それらを形成する要素は1980年代の高田賢三の“生きる喜び”と KENZOでのNigoの構造的枠組みを支える伝統的な日本の構造と本物のアメリカのワークウエアとの対話によって支えられています。
シルエット
1960年代の若者に合わせたモッズスーツのシルエットで襟のないチュニックジャケット、テーパードパンツ、ミニスカート。これらは1980年代の高田賢三の作品やBボーイのカルチャーを反映した自由なスーツの形、そして伝統的な日本の構造まで網羅します。ここでNigoは西洋の文脈と日本の武道着の言語を融合させ、ワークウエアのシルエットに対話を呼び起こします。武士の装からなる剣道着は、Nigoが学生時代に必修で受けた授業で見たもので、Y字型のジャケットクロージャーやボリューミーなボックスプリーツの袴を日本のデニムで解釈しました。
Hunterとのコラボレーションで見せるアウトドア中心の原型は伝統的な国のワードローブをアメリカのワークウエアを鑑みながらも英国原産のキルトシルエットも思い起こさせます。ティアードとフリルのスリップドレスは1980年代の高田賢三スタイルへのオマージュです。
テーマとモチーフ
今コレクションでNigoは東洋と西洋両方のレンズを通し、KENZOプリントのアーカイブを数多くリワークしました。1980年代のブロークンスライプがモチーフのダズルストライプには、チェック、タータンチェック、マイクロフローラル、フラワーストライプ、バトンストライプなどに反映されたパンク調のアンダートーンを。
ローズの地へのオマージュとしてアーカイブから採用したKENZOローズプリントは花瓶や果物、葉から構成されたKimono Camoと並んで登場します。Nigoのメゾンコレクションションを象徴するボケの花はThe Whoの図像に敬意を表し、KENZOターゲットグラフィックとフラワーターゲットプリントで再解釈。
また、東洋のイカットのモチーフに抽象的なテディフラワーのリフを描き、ボケを描きました。そしてジャングルに生息する虎をイメージしたタイガーバッジを大型エンブレムとして採用。バーシティグラフィック、トラベルバッジ、動物のグラフィックに加えて、日本では幸運のシンボルとされる金魚のモチーフが随所に施されています。
素材と技術
日本のキルティング技術である刺子は米粒生地としても知られています。この生地は剣道着にも使用され、KENZOのアーカイブに深く刻まれています。Nigoはナイロン、デニム、ウールベース、ニットウエア、ジャージなど新たな生地表現の開発にこの技術を利用しました。加えて、英国、スコットランド、イタリアのウールのジャガードとフィルクーペ、流動的に洗練されたものから破壊的なデヴォレやヘリテージコーデュロイまで多数のベルベットと並んで登場します。アーカイブの1970年代のレザージャケットに着想を得たパッチワークシャーリングスエードピースは、アメリカのミリタリースタイルで確立されています。デニムは1980年代と90年代に使用されたKENZOジーンズのウォッシュ加工を再現。一部のピースでは布の裏側をプリント飾り、裾をロールアップする事で表に露出されるような効果を狙いました。ニットウエアはアイリッシュ ドニゴール ツイードをスポーティーなケーブルセーターに折り込み、KENZOフェアアイルは3Dニットのマルチカラールレックススレッドで展開します。
バッグ&シューズ
1980年代のKENZOにインスパイアされ、スコットランドのドレスに由来するスポランバッグが今回のコレクションの為に再解釈されました。タッセルはRue Vivienneサッチェルと同じようにコットンとリネンのソフトなホーボーバッグに差し込まれる形に。様々な形状の伝統的な着物ポーチを讃えるようなリバーシブルの巾着も登場します。そして大型のキットバッグは剣道の練習で使用されるものを1980年代のスポーツバッグの文脈で変形させ作成されました。
今コレクションでのシューズの提案は木製の楔で作られ、花で飾られたKENZO Clogによって特徴付けられます。KENZOウエスタンは、オーセンティックなカウボーイブーツにルーツを持つ、アンクルブーツでもあり、チロリアンブーツやトゥスチールのワークブーツにも同様に反映されたアメリカのアーキタイプを思い起こさせます。
スニーカー
新しいスケートスニーカーは1990年代後半のスケートボードカルチャーに見られるスタイルからインスピレーションを得ました。それは高さを低くし、幅を広げたスニーカー、わずかにパッドが入っておりボリューム感のあるガムソール、Nigoの当時の記憶から再現したものです。今コレクションでは本物のランニングシューズ、その構造特性に根ざしたピースも発表します。ハイテク素材とパフォーマンスウエアに使用されるソールから作られたランナーはNigoのデザイン哲学を刺激する、リアルを追求するコンセプトを具現化しています。
アクセサリー
帽子は今コレクションで見られる折衷的影響を体現しています。ハイブリットキャップとして解釈した鹿撃ち帽もまた、英国への敬意を表している一方で、シャプカ、ボブハット、特大の折りたたみ色のベレー帽は原型に遊び心を加えました。モヒカンフリンジをあしらったニット帽はパンクのシルエットを連想させます。レトロな3Dロゴバックル付きのベルトはモッズグラフィックを模倣し、大きなスクエアのネームプレートバックルはヒップホップ全盛期を呼び起こします。その他にもロープのようなメタルネックレスや、Kをあしらったオーバーサイズのネックレスなども登場します。
Production by
Back of the House
Show music by
1966 Quartet
Content production by
Kitten
Styling by
Marq Rise
Casting by
Samuel Ellis Scheinman
for DM CASTING
Make up by
Lucy Bridge
and the Make Up For Ever team
Hair by
Anthony Turner using Dyson
Nails by
Ama Quashie