“花々は女性の次に美しい”--現代に受け継がれる、ムッシュ・ディオールの植物への深い愛

2015.05.06

今も昔も、数多のデザイナーが好むフラワーモチーフ。しかし、ムッシュ・ディオールほど深くを愛し、これほど見事に美しく花々を取り入れたデザイナーは他に例をみない。彼にとって花々は、この世で女性の次に美しい絶え間ないインスピレーションの源だった。

『花々は神がこの世に与えた、女性の次にもっとも美しいものである』-クリスチャン・ディオール

 ムッシュ・ディオールと花の出会いを紐解いてみると、幼少期にまで遡る。グランヴィルの生家には草花の溢れる美しい庭園があり、植物への愛情は自然と育まれていった。自ら植物の標集をつくり、芳しいバラの庭園で何時間も過ごした経験は、後にデザイナーになった彼のクリエーションにおけるあらゆる原点となる。時に、そのノスタルジックな思い出は一輪のスズランに託され、ファッションショーでは幸運を招くラッキーチャームとして必ず彼のボタンホールに飾られていた。

『私はここグランヴィルにて、最も甘美で、感嘆に満ちた想い出を過ごしました。それどころか、私の人生、私のスタイルのほとんど全てを、その境遇と建物から影響をうけています』-クリスチャン・ディオール

『花のような女性たち、ファム フルール』

花々は、ムッシュ・ディオールのクリエーションに次々と彩りを加えていった。素材として、アイテムとして、カラーとして、シルエットとして、そして香りとして。彼の代名詞ともいうべき"ファム フルール(=花のような女性たち)"では、シルエットに花を取り込み、柔らかな肩、花開いたような胸元、蔓植物のようにほっそりとしたウエスト、花冠のように大きなスカートなど、女性の曲線をより美しく描きだした。

 そして、花々がムッシュ・ディオールにとってインスピレーションの泉であり続けたように、彼の志を継ぐデザインナーや調香師にとっても、彼の遺した美しいイマジナリーガーデンは、永遠の原点として今でもメゾンに脈々と受け継がれている。

 そんな美しい花々に出会いに、最新コレクションが並ぶ表参道ブティックのフラワーコードを探しに出かけてみよう。
Naoyo Madison
  • 『花々は神がこの世に与えた、女性の次にもっとも美しいものである』とはクリスチャン・ディオールが残した言葉
  • ヨラメ(Yorame)デザインのフラワーアートを組み合わせたビデオアートウォール
  • ヨラメ(Yorame)デザインのフラワーアートを組み合わせたビデオアートウォール
  • 鮮やかな花々が刺しゅうされた15SSのドレス
  • 至る所に花が飾られ華やかな雰囲気の店内
  • ヨラメ(Yorame)デザインのフラワーアートを組み合わせたビデオアートウォール
  • Dior 表参道ブティック店内
  • Dior 表参道ブティック
  • 店内には美しい花が飾られている
  • ヨラメ(Yorame)の手によってコンテンポラリーに表現されている、メゾンコード「フラワー」
  • Dior 表参道ブティック
  • ブティックの2階にあるパフュームコーナー
  • パフュームコーナーではメゾンの調香師フランソワ・ドゥマシー氏が手がけた”ラ コレクション プリヴェ”が揃う
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