元号も変わり、まさに言葉通りの新時代がスタートした昨今。そんな新たな時代を築くアーティストへ、現代を生きるスタンスやマインド、音楽や社会において感じている未来への可能性について質問を投げかけるインタビュー連載が始動した。
vol.1として登場するのは、Spotifyが今年大きな飛躍を期待する新進気鋭の国内アーティスト10組「Spotify Early Noise 2019」にも選出された、若きクリエイターのMega Shinnosuke。2000年生まれ、現在18歳の彼はCDも買ったことがなく、ライブもほとんど観ないと語りながらも、洒脱なサウンドを特徴とした楽曲群は、すべてひとりで作詞・作曲・編曲を手がけている。
今回、6月5日に初の全国流通盤『HONNE』のリリースを控えるMega Shinnosukeに、その音楽活動のスタートから自身のスタンスに至るまで、様々なことを訊いた。その回答の端々から、新世代ならではの感性が垣間見れることだろう。
――Mega Shinnosukeさんは、高校生の時に先輩のバンドに誘われたことがきっかけで音楽活動を始めたそうですね。
はい。文化祭に出ようってことで、コピーバンドに誘ってもらえたんですけど、その先輩が学校外でやっているバンドを観に行ってみたら、何かあまりおもしろくなくて(笑)。「これだったら自分の方がおもしろい音楽を作れるんじゃないか」っていう根拠のない自信が湧いてきたんです。
――それまでの音楽経験は?
ほぼなかったですね。公園で友達の前で遊びで弾き語りしたりとか、本当にそれくらいで。ただ、高校に入る前から軽音部に入りたいなとは考えていて。
――それはなぜ?
怠惰な高校生活を過ごさせないために、お母さんから「何かしら部活に入れ」って強く言われていて。でも、自分としては本当にやりたいことが見つからなかったんです。そんな中で、強いて言えば「軽音部かな」って思って。
――音楽以外で小さい頃から夢中になった物事はありますか?
なんでしょう。モンハンとかパズドラですかね。小学生の時は野球もやっていたんですけど、正直途中からずっと辞めたいって思いながらやってましたね(笑)。
――では、ある意味初めて夢中になれたのが音楽?
そうかもしれないですね。ただ、音楽もここ2年くらいの話なんです。普通、中高の部活って3年間やるじゃないですか。だから、まだその部活よりも短い期間の話なんですよね。あと、服とかは好きです。
――それはいつからですか?
小6くらいですかね。きっかけはたぶんYouTuberだったと思います。ワタナベマホトさんとか、ストリート系の洋服を着てたりするじゃないですか。そういうのを見て、少しずつ興味を持つようになっていったんだと思います。今だと考えられないですけど、当時はサイズ感とか素材とかを何も考えずに、(ファッションセンター)しまむら系列店の「アベイル」っていうお店で、いっぱい買い物してましたね。超安いんです(笑)。
――YouTuberに対する憧れは在りましたか?
今もYouTuberをやってる友達の手伝いを少しだけしていたことがあって。撮影だったり編集だったり。それで中学生の時に、HIKAKINさんと同じ編集ソフト「Final Cut」を使いたくて、親にMacBook Proをねだるんです。そしてカナダへの語学留学と交換に買ってもらうんですけど、カナダに行ったことは特別感想はないんですけど、このMacBook Proが後々に音楽制作用になり、僕の人生を変えてくれました。
――なるほど。今の本名名義となる前に、Fow two.というバンド・プロジェクトとしても活動していましたよね。その立ち上げの経緯を教えてもらえますか?
先輩のバンドを観て、自分でやりたいって思ってから、いざ曲も作ってみて。でも、「自分のソロ・プロジェクトを始めたから(楽器)弾いてくれ」って中々高校生で言いづらいじゃないですか(笑)。あとはバンドをやりたいっていう気持ちもあったので、周りの上手い人たちを集めて。ただ、実際の活動形態は今とあまり変わっていなくて。僕が曲を書いて、演奏してもらう。
――そこから今の名義、活動形態へと変化するきっかけは?
ぶっちゃけ、同い年くらいの人たちとあまり反りが合わないというか。僕だけテンション高いしフットワークも軽くて、他のメンバーと距離ができてしまう。各パートのアレンジは他の人にお願いしてもいいんだなということがわかったので。
――昨年3月にはFow two.としての自主制作盤『me me glue.』を発表しています。出してみてからの反響はいかがでしたか?
CDというよりは、今はもう消してるんですけど、収録曲「O.W.A.」のMV(以前のVer.は現在YouTube上から削除済み)をUPした翌日から、SNSのDMにめちゃくちゃ色々な連絡がくるようになって。メジャーレーベルの方とか流通の方とか。それで東京に伝手ができたし、今後も音楽活動やっていけるんじゃないかなって思いました。
――今回、初の全国流通盤となるEP『HONNE』がリリースされます。既発曲も収録されていますが、本作の制作において苦労した点などはありますか?
う〜ん。特にないかもしれないです。基本的に作曲段階でアレンジも頭に浮かんでいるので、それを弾いてもらったりするっていうだけなので。敢えて挙げるとしたら、エンジニアリングの面ですね。基本的に、何かを参考にして作るっていうことがほぼないので、リファレンスとかを挙げてくれって言われてから自分の曲に合う楽曲を探すっていう。「ドラムはこの曲で、ギターはこの曲みたいな感じで」っていう感じでお願いして、全部立ち会いましたね。
――なるほど。
何かから影響を受けた自覚もないし、知識もない。だから、信じるのは自分の感覚だけですよね。自分の感覚を、いかに根拠付けるか。最初は感覚で「なんとなくこうした方がよくなるんだろうな」っていうのがあっても、不安になったりすることもあったんです。でも、今はより意識的に自分の感覚を信じるようになりました。
――今後やってみたいことはありますか?
ピアノが弾けるようになれば、作る曲も変わると思います。シンセも弾けるようになるし、色々なことができるようになるので。ただ、今は作曲の幅とか方向性とか1㎜も困ってないので、練習したりはしてないですけど。まだまだ進化形態を残してるんだぞっていう余裕はあります(笑)。
――では、未来の自分の理想像のようなものを描くとしたら?
音楽活動的には今と同じく、変わり続けることを楽しめていけたらいいなって思います。あとは……結婚して代々木に住むとかですかね(笑)。
――ハハハ。音楽以外の表現活動に手を出す可能性は?
それはもちろんあると思います。音楽をやりたいから音楽活動しているわけじゃないので。今、音楽がおもしろいと思ってるから、音楽をやっているだけで。
――ちなみに、憧れている人などはいますか?
いないですね。僕、音楽とかクリエイティヴな活動に目標とかゴールも設定していないし、頑張っていないんですよ。ただやりたいからやってるだけ。お腹空いて、ご飯食べる時に「頑張る」って言わないですよね。これ以上食べられないけど、頑張って食べるっていうパターンはありますけど。やりたいことをやることは「頑張る」って言わないですよね。音楽において、まだまだやりたいことがあるからやるだけ。好きこそ物の上手なれって言いますけど、まさしくそれですよね。
vol.1として登場するのは、Spotifyが今年大きな飛躍を期待する新進気鋭の国内アーティスト10組「Spotify Early Noise 2019」にも選出された、若きクリエイターのMega Shinnosuke。2000年生まれ、現在18歳の彼はCDも買ったことがなく、ライブもほとんど観ないと語りながらも、洒脱なサウンドを特徴とした楽曲群は、すべてひとりで作詞・作曲・編曲を手がけている。
今回、6月5日に初の全国流通盤『HONNE』のリリースを控えるMega Shinnosukeに、その音楽活動のスタートから自身のスタンスに至るまで、様々なことを訊いた。その回答の端々から、新世代ならではの感性が垣間見れることだろう。
――Mega Shinnosukeさんは、高校生の時に先輩のバンドに誘われたことがきっかけで音楽活動を始めたそうですね。
はい。文化祭に出ようってことで、コピーバンドに誘ってもらえたんですけど、その先輩が学校外でやっているバンドを観に行ってみたら、何かあまりおもしろくなくて(笑)。「これだったら自分の方がおもしろい音楽を作れるんじゃないか」っていう根拠のない自信が湧いてきたんです。
――それまでの音楽経験は?
ほぼなかったですね。公園で友達の前で遊びで弾き語りしたりとか、本当にそれくらいで。ただ、高校に入る前から軽音部に入りたいなとは考えていて。
――それはなぜ?
怠惰な高校生活を過ごさせないために、お母さんから「何かしら部活に入れ」って強く言われていて。でも、自分としては本当にやりたいことが見つからなかったんです。そんな中で、強いて言えば「軽音部かな」って思って。
――音楽以外で小さい頃から夢中になった物事はありますか?
なんでしょう。モンハンとかパズドラですかね。小学生の時は野球もやっていたんですけど、正直途中からずっと辞めたいって思いながらやってましたね(笑)。
――では、ある意味初めて夢中になれたのが音楽?
そうかもしれないですね。ただ、音楽もここ2年くらいの話なんです。普通、中高の部活って3年間やるじゃないですか。だから、まだその部活よりも短い期間の話なんですよね。あと、服とかは好きです。
――それはいつからですか?
小6くらいですかね。きっかけはたぶんYouTuberだったと思います。ワタナベマホトさんとか、ストリート系の洋服を着てたりするじゃないですか。そういうのを見て、少しずつ興味を持つようになっていったんだと思います。今だと考えられないですけど、当時はサイズ感とか素材とかを何も考えずに、(ファッションセンター)しまむら系列店の「アベイル」っていうお店で、いっぱい買い物してましたね。超安いんです(笑)。
――YouTuberに対する憧れは在りましたか?
今もYouTuberをやってる友達の手伝いを少しだけしていたことがあって。撮影だったり編集だったり。それで中学生の時に、HIKAKINさんと同じ編集ソフト「Final Cut」を使いたくて、親にMacBook Proをねだるんです。そしてカナダへの語学留学と交換に買ってもらうんですけど、カナダに行ったことは特別感想はないんですけど、このMacBook Proが後々に音楽制作用になり、僕の人生を変えてくれました。
――なるほど。今の本名名義となる前に、Fow two.というバンド・プロジェクトとしても活動していましたよね。その立ち上げの経緯を教えてもらえますか?
先輩のバンドを観て、自分でやりたいって思ってから、いざ曲も作ってみて。でも、「自分のソロ・プロジェクトを始めたから(楽器)弾いてくれ」って中々高校生で言いづらいじゃないですか(笑)。あとはバンドをやりたいっていう気持ちもあったので、周りの上手い人たちを集めて。ただ、実際の活動形態は今とあまり変わっていなくて。僕が曲を書いて、演奏してもらう。
――そこから今の名義、活動形態へと変化するきっかけは?
ぶっちゃけ、同い年くらいの人たちとあまり反りが合わないというか。僕だけテンション高いしフットワークも軽くて、他のメンバーと距離ができてしまう。各パートのアレンジは他の人にお願いしてもいいんだなということがわかったので。
――昨年3月にはFow two.としての自主制作盤『me me glue.』を発表しています。出してみてからの反響はいかがでしたか?
CDというよりは、今はもう消してるんですけど、収録曲「O.W.A.」のMV(以前のVer.は現在YouTube上から削除済み)をUPした翌日から、SNSのDMにめちゃくちゃ色々な連絡がくるようになって。メジャーレーベルの方とか流通の方とか。それで東京に伝手ができたし、今後も音楽活動やっていけるんじゃないかなって思いました。
――今回、初の全国流通盤となるEP『HONNE』がリリースされます。既発曲も収録されていますが、本作の制作において苦労した点などはありますか?
う〜ん。特にないかもしれないです。基本的に作曲段階でアレンジも頭に浮かんでいるので、それを弾いてもらったりするっていうだけなので。敢えて挙げるとしたら、エンジニアリングの面ですね。基本的に、何かを参考にして作るっていうことがほぼないので、リファレンスとかを挙げてくれって言われてから自分の曲に合う楽曲を探すっていう。「ドラムはこの曲で、ギターはこの曲みたいな感じで」っていう感じでお願いして、全部立ち会いましたね。
――なるほど。
何かから影響を受けた自覚もないし、知識もない。だから、信じるのは自分の感覚だけですよね。自分の感覚を、いかに根拠付けるか。最初は感覚で「なんとなくこうした方がよくなるんだろうな」っていうのがあっても、不安になったりすることもあったんです。でも、今はより意識的に自分の感覚を信じるようになりました。
――今後やってみたいことはありますか?
ピアノが弾けるようになれば、作る曲も変わると思います。シンセも弾けるようになるし、色々なことができるようになるので。ただ、今は作曲の幅とか方向性とか1㎜も困ってないので、練習したりはしてないですけど。まだまだ進化形態を残してるんだぞっていう余裕はあります(笑)。
――では、未来の自分の理想像のようなものを描くとしたら?
音楽活動的には今と同じく、変わり続けることを楽しめていけたらいいなって思います。あとは……結婚して代々木に住むとかですかね(笑)。
――ハハハ。音楽以外の表現活動に手を出す可能性は?
それはもちろんあると思います。音楽をやりたいから音楽活動しているわけじゃないので。今、音楽がおもしろいと思ってるから、音楽をやっているだけで。
――ちなみに、憧れている人などはいますか?
いないですね。僕、音楽とかクリエイティヴな活動に目標とかゴールも設定していないし、頑張っていないんですよ。ただやりたいからやってるだけ。お腹空いて、ご飯食べる時に「頑張る」って言わないですよね。これ以上食べられないけど、頑張って食べるっていうパターンはありますけど。やりたいことをやることは「頑張る」って言わないですよね。音楽において、まだまだやりたいことがあるからやるだけ。好きこそ物の上手なれって言いますけど、まさしくそれですよね。