建て替えのため2016年8月より休業中の渋谷パルコが、2019年11月22日のグランドオープンする。果たして新生「渋谷パルコ」はどう生まれ変わった? 開業に先駆け19日に行われた内覧会を取材。
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これまで渋谷の発展の一端を担ってきた存在らしく、新しい渋谷パルコでは、ニーズを満たすのではなく、ニーズを創造して新しい消費提案・価値観を提供する“次世代型商業施設”を目指す。デザイン・アート性やエンターテインメント性の高い専門店を軸とした編集で独自性を追求し、ターゲットは特定の年齢層や性別で絞らず、“ノンエイジ・ジェンダーレス・コスモポリタン”を掲げ、感性で消費をする都市生活者が世界中から訪れる場所をイメージする。
館内は「FASHION」「ART&CULTURE」「ENTERTAINMENT」「FOOD」「TECHNOLOGY」の5本柱を軸に、商業施設初出店店舗、新業態店舗を多くそろえた、個性あふれるラインアップで構成される。フロア編集ではそれぞれのジャンルをミックスするなど、遊び心も忘れない。
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会見に登壇した泉水隆常務執行役が、「アパレルの厳しさが問われる今だからこそ、これまで以上に真剣に取り組んだ」というファッション。ブランドの規模や有名無名に囚われない判断基準のもと、ラグジュアリー・モード・ストリート・カジュアル・ヴィンテージなど、様々なジャンルを代表する約100のショップを集積した。グッチ(GUCCI)を筆頭としたラグジュアリーブランドを誘致し、コム デ ギャルソン・ガール(COMME des GARÇONS GIRL)、ヨウジヤマ モト(Yohji Yamamoto)、イッセイミヤケ(ISSEY MIYAKE)など、業績をキープする日本のトップブランドもラインアップ。
渋谷パルコ1階「COMME des GARÇONS GIRL」
ディオール&リモワのポップアップレポートはこちらから。
▼ディオール&リモワのポップアップに注目!
さらに目玉となるのが、次世代の才能に焦点を当てたインキュベーションだ。ブランド育成を目的とした編集売場「GEYSER PARCO」と「PORT PARCO」では、ノブユキマツイ、テンダーパーソンなど東京で活動するフレッシュなデザイナーを支援するポップアップショップを運営する。また環境配慮の水洗いクリーニングや衣類の専門家によるお直し、目利き力のある買取専門店もそろえるなど、ファッションでのサステイナブルも提案していく。
渋谷パルコ3階「GEYSER PARCO」
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渋谷パルコ4階「PORT PARCO」
「OIL by 美術手帖」の玉山拓郎「The Sun, Floded.」展
様々なカタチのアート&カルチャーを発信する、ギャラリー機能を備えた9店舗のショップがお目見え。美術専門誌『美術手帖』が初となる直営店「OIL by 美術手帖」を、『ほぼ日刊イトイ新聞』は東京のカルチャー案内所「ほぼ日カルチャん」と、新しいことに出合える「ほぼ日曜日」を出店。
「PARCO MUSEUM TOKYO」
また世界へ向けたカルチャー発信を行う「PARCO MUSEUM TOKYO」の登場に加え、渋谷スペイン坂のギャラリー「GALLERY X」の移転オープンもトピックに。さらにジャパンカルチャーを発信するゾーンでは「Nintendo TOKYO」「ポケモンセンター シブヤ」など日本を代表するコンテンツホルダーを集結させ、グッズ販売に留まらない、五感で世界観を体験できるフロアを形成する。
話題の『AKIRA』展のレポートはこちらから。
▼新生渋谷パルコの『AKIRA』展へ潜入。渋谷の街と共存した歴代“仮囲い”を一挙公開
「GALLERY X」の「AKIRA ART OF WALL Katsuhiro Otomo × Kosuke Kawamura AKIRA ART EXHIBITION」展
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「ポケモンセンター シブヤ」
エントランスにミュウツーが出現
取材にいったタイミングでピカチュウがお出迎えしてくれました。
「ポケモンセンター シブヤ」限定のピカチュウぬいぐるみもお目見え
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パルコ文化発信の核となる「パルコ劇場」は、旧劇場の約1.5倍の座席数に拡張されパワーアップ。自社運営のミニシアター「CINE QUINT」も登場し、吉祥寺の路面店ミュージックカフェ&バー「QUATTRO LABO」が移転オープンする。
FOOD
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渋谷パルコ1階「CHAOSKITCHEN」
メインレストランフロアとなる地下1階には、“食・音楽・カルチャー”をコンセプトにした「CHAOS KITCHEN」が出現。ここではまさにカオスとなるような“ごちゃ混ぜ”の飲食ゾーンが展開され、ミシュラン獲得名店の新業態、うどん屋、純喫茶、ジビエ・昆虫料理、ミックスバーに至るまで、多様なジャンルの飲食店に加え、レコードショップやグッズショップなども出店する。また海外観光客の来街も踏まえ、回転寿司、天ぷら、焼肉、ラーメンなどの日本食やヴィーガン料理専門店などが軒を連ねるレストランゾーンも編集。さらに1階路面部には、街歩きとの掛け合わせを楽しめる、日本酒・ビアスタンドや食のギャラリー、フラワーショップによる不定期登場のワインバーなどもお目見えする。
「極味や」の神戸牛ハンバーグはMサイズ(130g)で2,090円
Photo by Yuko Kitamoto © FASHION HEADLINE
グルメフロアのレポートはこちらから。
▼閲覧注意? 渋谷パルコグルメフロアレポート。極上ハンバーグから昆虫パフェまで個性派ぞろい
©2019, Takenaka Corporation
デジタル時代における新しい買い物の在り方を提案し、店頭販売とECを掛け合わせたオムニチャネル型売場「CUBE」を展開。ショールームの機能を高めたNEXT店舗として、戦略アイテムや限定商品を中心にそろえ、その他の商品はデジタルでの在庫管理のもとPARCOオンラインストアで販売する。店頭にはないオンライン上の商品をいつでも買うことができ、ストレスなく買いまわりができる仕組みを構築する。またテクノロジーをより身近に体現できるカフェやショールーム型ショップを導入し、日本初となるクラウドファンディングを活用したAIショールームでは、世に出る前の商品やアイデアを実際に試せるなど、新しい体験も提供する。
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渋谷の特徴である「坂」と「通り」に着目し、通路・階段をスペイン坂から螺旋状に建物外周に沿って10階まで繋ぐ立体街路で、街と融合した建物づくりに。立体街路にはフロアごとに入口を設け、渋谷の街を歩くようにショッピングが楽しめる空間を創出した。旧渋谷パルコパートIとパートIIIの間にあった。道路は歩行者専用通路「ナカシブ通り」として生まれ変わり、10もの路面店が並ぶ。
渋谷PARCO外観パース(ナカシブ通り)田名網敬一アートウィンドウ
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会見で牧山浩三代表執行役社長は、「渋谷は時代を闊歩している人たちが行き交う場所であり、ムーブメントの起こる街。時代とともに街も移り変わり多様性を持ってきて、昨今では表から裏通りへの注目が高まっている。駅から離れた場所を楽しむようになってきたところで、渋谷を訪れたときには、パルコへ。行こうと思っていただけるような、いわば“渋谷のヘソ”となる存在になりたい」と期待を寄せた。
最終更新:11月21日
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“唯一無二”の次世代型商業施設へ
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これまで渋谷の発展の一端を担ってきた存在らしく、新しい渋谷パルコでは、ニーズを満たすのではなく、ニーズを創造して新しい消費提案・価値観を提供する“次世代型商業施設”を目指す。デザイン・アート性やエンターテインメント性の高い専門店を軸とした編集で独自性を追求し、ターゲットは特定の年齢層や性別で絞らず、“ノンエイジ・ジェンダーレス・コスモポリタン”を掲げ、感性で消費をする都市生活者が世界中から訪れる場所をイメージする。
グランドオープンでは約180のショップが出店
館内は「FASHION」「ART&CULTURE」「ENTERTAINMENT」「FOOD」「TECHNOLOGY」の5本柱を軸に、商業施設初出店店舗、新業態店舗を多くそろえた、個性あふれるラインアップで構成される。フロア編集ではそれぞれのジャンルをミックスするなど、遊び心も忘れない。
FASHION
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会見に登壇した泉水隆常務執行役が、「アパレルの厳しさが問われる今だからこそ、これまで以上に真剣に取り組んだ」というファッション。ブランドの規模や有名無名に囚われない判断基準のもと、ラグジュアリー・モード・ストリート・カジュアル・ヴィンテージなど、様々なジャンルを代表する約100のショップを集積した。グッチ(GUCCI)を筆頭としたラグジュアリーブランドを誘致し、コム デ ギャルソン・ガール(COMME des GARÇONS GIRL)、ヨウジヤマ モト(Yohji Yamamoto)、イッセイミヤケ(ISSEY MIYAKE)など、業績をキープする日本のトップブランドもラインアップ。
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ディオール&リモワのポップアップレポートはこちらから。
▼ディオール&リモワのポップアップに注目!
さらに目玉となるのが、次世代の才能に焦点を当てたインキュベーションだ。ブランド育成を目的とした編集売場「GEYSER PARCO」と「PORT PARCO」では、ノブユキマツイ、テンダーパーソンなど東京で活動するフレッシュなデザイナーを支援するポップアップショップを運営する。また環境配慮の水洗いクリーニングや衣類の専門家によるお直し、目利き力のある買取専門店もそろえるなど、ファッションでのサステイナブルも提案していく。
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ART&CULTURE
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様々なカタチのアート&カルチャーを発信する、ギャラリー機能を備えた9店舗のショップがお目見え。美術専門誌『美術手帖』が初となる直営店「OIL by 美術手帖」を、『ほぼ日刊イトイ新聞』は東京のカルチャー案内所「ほぼ日カルチャん」と、新しいことに出合える「ほぼ日曜日」を出店。
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また世界へ向けたカルチャー発信を行う「PARCO MUSEUM TOKYO」の登場に加え、渋谷スペイン坂のギャラリー「GALLERY X」の移転オープンもトピックに。さらにジャパンカルチャーを発信するゾーンでは「Nintendo TOKYO」「ポケモンセンター シブヤ」など日本を代表するコンテンツホルダーを集結させ、グッズ販売に留まらない、五感で世界観を体験できるフロアを形成する。
話題の『AKIRA』展のレポートはこちらから。
▼新生渋谷パルコの『AKIRA』展へ潜入。渋谷の街と共存した歴代“仮囲い”を一挙公開
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エントランスにミュウツーが出現
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ENTERTAINMENT
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「PARCO劇場」
©2019, Takenaka Corporation
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©2019, Takenaka Corporation
パルコ文化発信の核となる「パルコ劇場」は、旧劇場の約1.5倍の座席数に拡張されパワーアップ。自社運営のミニシアター「CINE QUINT」も登場し、吉祥寺の路面店ミュージックカフェ&バー「QUATTRO LABO」が移転オープンする。
FOOD
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Photo by Yuko Kitamoto © FASHION HEADLINE
グルメフロアのレポートはこちらから。
▼閲覧注意? 渋谷パルコグルメフロアレポート。極上ハンバーグから昆虫パフェまで個性派ぞろい
TECHNOLOGY
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渋谷PARCO5階オムニチャネル型売場パース______________
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©2019, Takenaka Corporation
デジタル時代における新しい買い物の在り方を提案し、店頭販売とECを掛け合わせたオムニチャネル型売場「CUBE」を展開。ショールームの機能を高めたNEXT店舗として、戦略アイテムや限定商品を中心にそろえ、その他の商品はデジタルでの在庫管理のもとPARCOオンラインストアで販売する。店頭にはないオンライン上の商品をいつでも買うことができ、ストレスなく買いまわりができる仕組みを構築する。またテクノロジーをより身近に体現できるカフェやショールーム型ショップを導入し、日本初となるクラウドファンディングを活用したAIショールームでは、世に出る前の商品やアイデアを実際に試せるなど、新しい体験も提供する。
渋谷の街を取り込んだ建築意匠
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渋谷の特徴である「坂」と「通り」に着目し、通路・階段をスペイン坂から螺旋状に建物外周に沿って10階まで繋ぐ立体街路で、街と融合した建物づくりに。立体街路にはフロアごとに入口を設け、渋谷の街を歩くようにショッピングが楽しめる空間を創出した。旧渋谷パルコパートIとパートIIIの間にあった。道路は歩行者専用通路「ナカシブ通り」として生まれ変わり、10もの路面店が並ぶ。
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会見で牧山浩三代表執行役社長は、「渋谷は時代を闊歩している人たちが行き交う場所であり、ムーブメントの起こる街。時代とともに街も移り変わり多様性を持ってきて、昨今では表から裏通りへの注目が高まっている。駅から離れた場所を楽しむようになってきたところで、渋谷を訪れたときには、パルコへ。行こうと思っていただけるような、いわば“渋谷のヘソ”となる存在になりたい」と期待を寄せた。
最終更新:11月21日