東京都現代美術館の夏休み企画、こどももおとなも楽しめる「遊び」がテーマの展覧会が開催

開催日:2019.07.20-10.20
2019.07.25
東京都現代美術館では、こどももおとなも楽しめる「遊び」がテーマの展覧会「あそびのじかん」を、7月20日から10月20日まで開催中。

開発好明《受験の壁》(2016年再制作)
Photo: 開発好明

今年の夏休みに開催される展は「遊び」がテーマ。「遊んでないで○○しなさい!」と、遊びの時間を「勉強」や「仕事」や「お手伝い」に邪魔されるように、遊びは日常生活の対極にあり、不真面目で非生産的なものだというイメージをもたれてしまうことがある。一方で、日常の決まりごとが通用しない遊びは従来の考えやルールを外れて新しい価値や法則を発見するきっかけにもなる。

会場では、6組の作家による、こどももおとなも楽しめる作品を紹介。巨大な作品の中に入り込んだり、的を狙ってみたり、工作をするといった、遊びやゲームの要素を持った、体験型作品が展示空間に広がる。来場者の遊んだ痕跡がそのまま作品になる企画も行われる。写真撮影が可能なため、写真映え抜群な広い空間をいっぱいに使ったインスタレーションなど、みんなで一緒に記念撮影も楽しめる。

TOLTA《ポジティブな呪いのつみき》2016年 「Gallery Voltaire」展 展示風景Photo:池田美都 ©SPIRAL/Wacoal Art Center
思わずクスリと笑ってしまうパフォーマンスから、時間を忘れて熱中するワークショップまでアーティストによる多彩なイベントも開催。関連イベントは館内の様々な場所で行われるので、新しくなった美術館をより楽しみたい人にもオススメだ。

「ハンドルにアソビを持たせる」という表現があるように、遊びは余裕や緩みという意味を持つ。車のハンドルはきっちりしているばかりだと快適には走らない。私たちもそれと同じで、「みんなと同じでなくちゃ」、「失敗してはいけない」と、自分を束縛してしまっては息苦しくなってしまう。本展では遊び心に満ちた作品たちが、そんな束縛をユーモラスにほどいていく。そこで生まれる好奇心やいたずら心、何か違ったことをしてみようと思う気持ち、それらは創造力の源泉であり、激しい変化の時代を生きるためのヒントになるだろう。

「なんだろう?なんでだろう?」と思ったら、そこがアートの面白さのはじまり。夏休みや芸術の秋に、ぜひ親子で“遊び”に訪れてみて。

【展覧会情報】
あそびのじかん
会期:7月20日〜10月20日
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F、3F(B室)
住所:東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
時間:10:00〜18:00(7月26日、8月2、9、16、23、30日の金曜日は21:00まで開館)
休館日:月曜日(8月12日、9月16、23日、10月14日は開館)、8月13日、9月17、24日、10月15日
料金:一般1,200円(960円)、大学生・専門学校生・65歳以上850円(680円)、中高生600円(480円)※小学生以下無料、( )内は20名以上の団体料金
編集部
  • 開発好明《受験の壁》(2016年再制作) Photo: 開発好明
  • 野村和弘《笑う祭壇》「春を待ちながらーやがて色づく風景をもとめてー」展 展示風景  2015年 十和田市美術館 Photo: 小山田邦哉
  • ハンバーグ隊 Jim’Oldによる新作のためのイメージドローイング
  • タノタイガ《タノニマス》2007年 せんだいメディアテークでの展示風景 Photo:タノタイガ
  • TOLTA《ポジティブな呪いのつみき》2016年 「Gallery Voltaire」展 展示風景 Photo:池田美都 ©SPIRAL/Wacoal Art Center
  • うしお《不如意の儀》のためのドローイング
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