2月28から3月7日にかけて、2023-24年秋冬シーズンのパリ・ファッション・ウィークが開催された。アーカイブを再訪してモダンに再解釈したコレクションで、“リセット＆リスタート”をテーマに、先行き不明瞭な未来へ進んでいく強い意思を示すクリエーションが多く見受けられた今季。長く続いたストリートスタイルは完全に影を潜め、本格的なモードへと回帰する流れが強い。

コロナ後から継続するリラックスムードは今季、ワイドボトムスとしてオフランウェイを席巻した。変化しているのは、昨シーズン多く見られたジーンズではなく、サテンや薄手のコットンで流動的になびくアイテムが多かったこと。カジュアルからエレガントまで、スタイルの幅が広がるワイドボトムスに注目!


emma／モデル


モデルのemmaさんは、「ステラ マッカートニー」のワイドなカーゴパンツをチョイス。裾が細いテーパードシルエットで、ワイドといえどすっきりとした印象に。足元はセンシュアルなサンダルで、メンズライクなカーゴパンツとの甘辛ミックスを披露した。


ジャンヌ・ダマス／「ルージュ」創設者兼アーティスティック・ディレクター


現代のパリジェンヌを体現するモデルで実業家のジャンヌは、白黒モノトーンのフレンチシックで「ディオール」のショーに来場した。ピンストライプのフォーマルなワイドパンツに、手仕事を感じさせるハンドニットのコンパクトなアンサンブルを合わせて、スタイルを良く見せる好バランス。


サラ・サンパイオ／モデル


世界的モデルのサラが、ランウェイではなくオフランウェイに姿を現した。ミントグリーンのスーツセットアップは「ステラ マッカートニー」のアイテム。オーバーサイズでマニッシュなジャケットに、腰履きでユルっと着用したベルボトムがエフォートレスな雰囲気。中は大胆な下着姿！そこまでは参考にできなくても、やや露出多めのフェミニンなインナーを選べば、スーツセットアップを女性らしく着こなせるはず。



番外編
今季のトレンドのキーワードの一つである“ミリタリー”や、パリコレらしい装飾主義な加工まで、個性を象徴するワイドボトムスがオフランウェイを彩った。脚長効果を発揮してくれるアイテムだけに、低身長の人にもぜひトライしてほしいアイテム!





Text by ELIE INOUE
Photo by Yusuke Kinaka