ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)によるヴァレンティノ(VALENTINO)は、パリメンズファッションウィーク初日の6月21日、イエナ大通りの元邸宅のイベントスペースで2018年春夏メンズコレクションショーを開催した。
コーチジャケットやスウェット、ランニングパンツなど、どれもがスポーティーな印象。しかし、どのアイテムもクチュールメゾンらしい最高級素材使い。そして、フランシス・ベーコンの絵画から影響を受けた前シーズンの美しいカラーパレットは、より華やかでフレッシュに変化している。一見ジャージーのブルゾンのように見えるトップスも、ちりめんのような凹凸のあるシルク素材を用いたり、ナパレザーをパッチワークして異素材ミックスのテクニックを見せる。
コート類の多くはダブルフェイスカシミアで仕立てられ、スウェットタイプのセットアップにはホワイトビーズでモチーフを刺繍し、クチュールメゾンならではの繊細さを散りばめている。今シーズン目を引いたのが、ラリエットのような細いマフラー。トライバル風のモチーフをジャカード織りしたストレッチ素材を用い、両端にタッセルを飾ったもので、インナーに通して裾から見せるのがポイントとなっている。
またスニーカーもバリエーション豊かで、トライバルモチーフのストレッチ素材を用いたり、ミラーを配して華やかな印象。頭から足先まで、ラグジュアリーなスポーツウエアの完成型を提示して見せていた。