イタリア国内でデザインと生産している若手デザイナーを支援するプログラム「ピッティ・イタリックス(PITTI ITALICS)」は、2015年のLVMH主催若手デザイナーコンテストのファイナリストのアーサー・アーベッサー(Arthur Arbsser)が、白眉のコレクションを発表した。
アルマーニのメゾンで7年の経験を積んだ後、2013年にWho is on nextでも優勝したウィーン出身の実力派デザイナー。今回はエットーレ・ソットサスの家具をランウェイに展示し、イタリアン・ミッドセンチュリーモダンからのインスピレーションを、メンズ、レディスの両ラインをスマートなストーリーで展開。ジオメタリック柄、エナメル、キルティング、ニットなど、マーケットコンシャスな完成されたコレクションは、日本市場でも今後要注目のデザイナーとして期待される。
また、昨年1月のピッティ・ウオモのゲストデザイナーとしてプレゼンテーションを行った、男女デュオデザイナーのシューズブランド「カサマードレ(CASAMADRE)」が今回は服のコレクションを発表。フィレンツェのルーツを感じさせるクラシカルなテクニックをモダンに消化したラインは、彼らのシグニチャーアイテムである靴同様に東欧の文化も感じさせ、ブランドのアイデンティティが、シーズンを重ねる毎に明確になっていくのが面白い。
もう一つのブランドの「ルイス・リーマン(LOUIS LEEMAN)」もメンズのシューズブランドとしてトスカーナの伝統的技術を使ったコレクションを発表した。
■text:ファッションヘッドライン編集顧問 野田達哉
■ピッティウオモ2016春夏レポート
--“見えない”時代のメンズファッションはアーカイブがトレンド 1/4
--伊ファッションの歴史を紐解くC.P.カンパニー、ニノ・チェルッティのアーカイブ展 2/4
--ピッティが期待するアフリカ&次世代デザイナー 3/4