リック・オウエンス(Rick Owens)は、6月22日にパリのパレ・ロワイヤル中庭を会場に2018年春夏メンズコレクションショーを開催した。
反抗やムーヴメントといったメッセージ色の強かった前シーズンとは異なり、今シーズンはランドスケープアートからインスパイアされている。ランウェイには建築物を囲う足場を設営しての大掛かりなショーとなった。
建築物の骨組のイメージから、各アイテムも構造を見せるような作りのものが多く見られ、肩パッドがむき出しのジャケットや、縫い目が透けているコットンオーガンジーのジャケット、チュール素材のシースルーのバイカージャケットなどが登場。異なるフォルムの3枚のTシャツを重ねたルックや、オーガンジーを用いたドレーピングTシャツも構築的で、構造を見せるというコンセプトに則っていた。それらトップに合わせられたボトムは、バギーなパンツのバリエーションで見せている。
3分の2の素材が自社オリジナルのため、凹凸のある1920年代のシルククロックの復刻生地やシュガーツイル、水溶性のコーティング素材など目新しいものばかり。また、女性だけが働くインドの工場で織られたホワイトデニムや、エジプトのミイラに使用されていた世界で一番古い素材であるラミーを使用するなど、このメゾンらしいエピソードには事欠かない。