ハースト婦人画報社が発行する日本版『エル(ELLE)』が、女性を応援するイベント「ELLE Women in Society(ウーマン・イン・ソサイエティ)」を開催した。今年で2回目となる本イベントのテーマは「幸せになる働き方」だ。
女性の雇用拡大を目指す安倍政権の「ウーマノミクス」が、現在国際的な注目を集めている。本イベントは『エル』が、「女性と仕事」について、特に女性が「幸せになる働き方」について多角的に考えようというもので、創刊以来、女性の自立を応援してきた同誌の精神を強く感じさせるイベントである。
イベントの軸となる企画は、企業の第一線で活躍する女性のビジネスリーダーや、芸術分野で活躍する女性たちを登壇者に招いた五つのセミナーだ。さらにサブ会場で、美容や健康についてのワークショップを実施したり、おすすめ商品を試供する企業ブースを設置したりと、遊びの部分もバランス良く採り入れた見どころいっぱいのイベントとなった。
オープニングには、日本版『エル』発行人・森明子氏、フランス版『エル』編集部「エル・アクティブ」編集主任のアンヌ=セシル・サルファティ氏が登場。サルファティ氏は、1945年に「Open your Appetite!(好奇心を解放させて)」というメッセージと共に誕生した『エル』の歴史と、同誌が扱ってきた女性を取り巻く社会問題について解説した。
第1セミナーは、『AERA』初の女性編集長・浜田敬子氏と森氏による特別セッションだ。ここで注目したいのは、浜田氏から「男性社会で心が折れそうになった時、“社外メンター”との出会いに救われた」とのコメントがあり、それを受けて森氏から「女性たちは今、仕事や家庭のことを話し合える相談役・“メンター”を求めているんです」との解説があったこと。この“メンター”は、本イベントのキーワードともいえるものだ。イベントに招かれた多くの登壇者たちの言葉には、様々な人生経験に裏付けされた力があり、それぞれメンターにしたい人生の先輩を見つける楽しみがあった。
例えば、続く三つのセミナーからは、このような印象的なコメントやアドバイスが飛び出した。第2セミナーでは、BTジャパン株式会社代表取締役社長の吉田晴乃氏から「社会変革の突破口となりうる現代の女性たちは、装いやふるまいに対してもっと自意識過剰で良いくらいです!」との力強いコメントが。第3セミナーでは、言葉のプロである作家の川上未映子氏が「成功体験を文字として残しておくこと。読み返した時に糧になります」と実践的なメンタル管理術をアドバイス。第4セミナーでは、トリップアドバイザー株式会社代表取締役の原田静織氏から「女性を惹きつける物事には“セクシーな魅力”がある。私はITをセクシーなものにしようといつも考えているんです」と興味深いコメントがあった。
最後に第5セミナーの登壇者として、注目のソーシャライト、オリヴィア・パレルモ氏が舞台に登場すると、会場は大いに沸いた。SNSを通じて世界中の注目を集めているパレルモ氏は、対談相手の『エル』コンテンツ部編集長の坂井佳奈子氏に今後の抱負について問われ「ワークライフバランスを意識しつつ、身近な人たちと助け合いながら、オープンマインドで人生を充実させていきたい」と語った。
またセミナーを実施したメイン会場の他、サブ会場も好奇心旺盛な女性たちで賑わった。特に企業ブースでは「エルカフェ(ELLE cafe)」が提供した野菜や果物を使用したスムージーの試飲に多くの女性が集まった。またイベント特別協賛企業の「ランコム(LANCOME)」が実施したメイクアップ体験は、順番待ちが出るほどの人気であった。
本イベントは、6月13日、六本木アカデミーヒルズにて開催された。