プラダは、2024年2月22日(現地時間)、2024年秋冬レディスコレクションをミラノにてランウェイ形式で発表しました。
本能的に惹かれる歴史。ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズによる 2024 年秋冬レディスコレクションは、歴史の断片をファッションに埋め込み、美についての考え方、そして記憶によって形作る現代世界を模索しました。過去と共にそこにあるのは、ロマンスです。
歴史に関する知識は、過去を解き明かすだけでなく、現代を定義します。さまざまな年代の要素をちりばめた服が、これまでとは異なる新しい視点を提案します。過去は、学びを授けてくれる有効な手段です。本コレクションでは、新しいものを作り上げるために過去を振り返りました。過去を理性的に考察するのではなく、現代にも通じる美の理想に対して
心がどう揺れ動くのかを探求します。
文字通り過去が、今日のファッションを形作りました。現代ファッションの典型とも言えるバイカージャケット、ボンバージャケット、ニットウェアに、過去から着想を得た要素を加え、ラインやディテールを変えて異なるシェイプに仕上げました。
さまざまな要素が一つの服に織り込まれ、ボディに沿うように作られたものもあれば、下に重ねた服が見えるよう工夫されたものもあります。ファブリックが主役のスカートには、儚げなシルクにかっちりとした仕立てのウールを合わせ、繊細さと力強さのコントラストを際立たせています。縦のラインを強調することによって、細身のシルエットが際立ちます。シューズやハットが、全体のバランスをさらに極端なものにし、ボディに沿う服は、女性らしさを明白に表現しています。女性らしい身のこなしを讃える工夫も随所に見られ
ます。ハンドバッグは腕から吊り下げられ、サングラスはメイクの一部のようです。制作の背景には生き方があります。人間の生活という無形のものを、形にしました。
定型的な表現も、具現化や、再加工、受け止め方を変えることによって変化させることができます。これまで男性的な素材として用いられたものを、繊細で女性的なものに変容させました。また、リボン、フリル、ラッフルといった女性らしさを表現するありきたりなディテールには新たな解釈を施し、その意味を根本から見直しました。
疑問を投げかけ、答えを導き出す。ファッションショーは、世界と対話を始め、さまざまな考え方を交換し合う場です。対話や表現することへの欲求は、人間なら誰もが持っている根本的な本能です。身につけるものを通して、私たちは互いに触れあい、感情を表現するのです。
お問い合わせ:
プラダ クライアントサービス
TEL:0120.45.1913
ロマンスという考え方に触れてみました。今、特にファッション界において、その言葉はある意味タブーなのかもしれません。ロマンチックな雰囲気を湛えたコレクションです。服に、愛や優しさという価値観を織り込んだのです。ロマンチックな愛もあれば、家族間の愛もあります。それは、理論的見解というよりもむしろ感情に関する会話なのです。私は、こうした考え方をとても大切にしています。そして常にこの考え方の下に制作を行っています。美を作り、愛をもってつくっています。歴史と人々の生活の間には密接なつながりがあります。過去のファッションは過去の生活を語ってくれますが、同時に現在の私たちの生活についても解き明かしてくれます。歴史を振り返ると、私たちの犯している過ち、そして強みが見えてきます。私たちが持っている唯一のもの、それが過去です。歴史から学ぶことをしない、懐古主義という考え方は好みません。歴史は、私たちにすべてを教えてくれます。困難な時期こそ、その教えは重要な意味を持ちます。歴史によって形作られているのが、本コレクションなのです。大切なのは懐古主義ではなく、理解です。私たちが何者なのか、どうしてそのような服を身につけるのか、ということへの理解です。それは過去を思い出し、前進するためにその知識を活用する、ということなのです。― ミウッチャ・プラダ
私たちは美しいものを作ろうと努力しています。過去を振り返ることなく、美について語ることはできません。美の歴史を消し去ることはできません。理想の美に対する現在の考え方を決めるのは、過去なのです。私たちはいつも時を遡ります。今のように混乱の時期、歴史を知ることに大きな意味があります。私たちは何者なのか、どこから来たのか。そうした過去を知ることができて初めて、未来を見据えることができるのです。そこには、感傷、そして激しい感情を感じた際の記憶があります。歴史を感じさせますが、現代の私たちの目には新鮮に感じられる要素を切り取っています。最大の難関は、過去の歴史(ビクトリア朝、1920年代、1950年代など)から借りた要素を念頭に置きつつ、その当時のシルエットをそのまま再現して制作することはしない、という点でした。歴史を語ろうとしているのではないからです。このコレクションが表現しようとしているのは、ファッションに対する愛、私たちがファッションに対して感じる愛なのです。― ラフ・シモンズ
2024 年秋冬レディスファッションショー
「INSTINCTIVE ROMANCE」
本能的に惹かれる歴史。ミウッチャ・プラダとラフ・シモンズによる 2024 年秋冬レディスコレクションは、歴史の断片をファッションに埋め込み、美についての考え方、そして記憶によって形作る現代世界を模索しました。過去と共にそこにあるのは、ロマンスです。
歴史に関する知識は、過去を解き明かすだけでなく、現代を定義します。さまざまな年代の要素をちりばめた服が、これまでとは異なる新しい視点を提案します。過去は、学びを授けてくれる有効な手段です。本コレクションでは、新しいものを作り上げるために過去を振り返りました。過去を理性的に考察するのではなく、現代にも通じる美の理想に対して
心がどう揺れ動くのかを探求します。
文字通り過去が、今日のファッションを形作りました。現代ファッションの典型とも言えるバイカージャケット、ボンバージャケット、ニットウェアに、過去から着想を得た要素を加え、ラインやディテールを変えて異なるシェイプに仕上げました。
さまざまな要素が一つの服に織り込まれ、ボディに沿うように作られたものもあれば、下に重ねた服が見えるよう工夫されたものもあります。ファブリックが主役のスカートには、儚げなシルクにかっちりとした仕立てのウールを合わせ、繊細さと力強さのコントラストを際立たせています。縦のラインを強調することによって、細身のシルエットが際立ちます。シューズやハットが、全体のバランスをさらに極端なものにし、ボディに沿う服は、女性らしさを明白に表現しています。女性らしい身のこなしを讃える工夫も随所に見られ
ます。ハンドバッグは腕から吊り下げられ、サングラスはメイクの一部のようです。制作の背景には生き方があります。人間の生活という無形のものを、形にしました。
定型的な表現も、具現化や、再加工、受け止め方を変えることによって変化させることができます。これまで男性的な素材として用いられたものを、繊細で女性的なものに変容させました。また、リボン、フリル、ラッフルといった女性らしさを表現するありきたりなディテールには新たな解釈を施し、その意味を根本から見直しました。
疑問を投げかけ、答えを導き出す。ファッションショーは、世界と対話を始め、さまざまな考え方を交換し合う場です。対話や表現することへの欲求は、人間なら誰もが持っている根本的な本能です。身につけるものを通して、私たちは互いに触れあい、感情を表現するのです。
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