ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)によるロエベ(LOEWE)は、6月パリのサン=シュルピス広場に面したアトリエ兼ショールームで2018年春夏メンズコレクションを発表した。
前シーズンはイビサ島とからインスパイアされたが、今シーズンは、サルヴァドール・ダリの別荘があり、ホアン・ミロやパブロ・ピカソが愛した港町、カブダケスにイメージを求めている。
メゾンの強みであるクラフツマンシップを最大限に生かしながら、アーティスティックな要素を加えることで、トレンドとは距離を置く、独自の力強いクリエーションを見せている。
ポケットをいくつも取り付けたジャージートップスや、ジップを何本も縫いつけたトップスなど、強い個性を漂わせるアイテムばかり。ウィリアム・モリス作のモチーフをタペストリー風に織ったジャカード素材のセットアップやクロスステッチを思わせる刺繍のスリッパ風シューズ、メイルヌードの祖とされるヴィルヘルム・フォン・グレーデンによる写真と葉型の真鍮パーツをPVCに閉じこめたポケットや襟を配したシャツなど、どことなくノスタルジックな印象のアイテムも。
バリエーション豊かなアイテム構成だが、コレクション全体に揺るぎない統一感がかもし出されているから不思議だ。