映画監督のロマン・ポランスキー(Roman Polanski)は1933年8月18日生まれ。フランス・パリ出身。
3歳の時に家族でポーランドに移るが、第2次世界大戦中に両親がユダヤ人収容所に送られ、自身も親戚宅を転々としながら逃亡生活を送った。大戦後は映画に興味を持ち、14歳から俳優として舞台や映画に出演。同時期にはウッチ映画大学に入学し、短編を数本制作した。
1962年に『水の中のナイフ』で長編映画デビュー。同作は、ヴェネチア国際映画祭の国際評論家連盟賞を受賞したことで注目を集めた。続く65年の『反撥』がベルリン国際映画祭の銀熊賞を、66年『袋小路』がベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した。
アメリカに進出してから制作した『ローズマリーの赤ちゃん』がアカデミー賞脚色賞にノミネートされ、以降同賞では『チャイナタウン』と『テス』で監督賞候補になっている。そして2002年、実在のユダヤ人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンを主人公にした映画『戦場のピアニスト』でアカデミー賞監督賞を受賞した。当時、彼は69歳だったため同賞の最年長受賞者となった。
彼は、映画監督として評価される一方、スキャンダルが多い人物としても知られている。1968年に結婚したシャロン・テートが、自宅でカルト教団に惨殺された。77年には少女淫行容疑で逮捕されている。89年にエマニュエル・セニエと3度目の結婚をした。
現在、彼の生い立ちから現在に至るまでを、自らの言葉で語ったドキュメンタリー映画『ロマン・ポランスキー 初めての告白』が現在公開中。長年のビジネスパートナーであるアンドリュー・ブラウンズバーグによるロングインタビューや映画の制作現場の様子などが紹介されている。