昨年のアンダム(ANDAM)でグランプリを受賞し、ハイエンドとストリートを自在にミックスするユニークなコレクションで独自の地位を確立しているジュリアン・デイヴィッド(JULIEN DAVID)が7月26日、東京に世界初の路面店となる旗艦店(東京都渋谷区神宮前2-7-15)をオープンした。
店舗は地上1階のワンフロア、店舗面積は60平方メートル。東京を活動拠点に、パリでコレクションを発表している同ブランド。旗艦店はパリに先駆けてオープンしたもので、アトリエも併設している。
倉庫を思わせるシンプルな外観やグラフィティーで彩られた扉を始め、ペンキを壁にドリッピングするなどデザイナーの感性が隅々まで行き渡る。コレクションに通じる遊び心と活き活きとしたエネルギーに満ちた空間にするために、ガラスや日本の木材、コンクリートを採り入れた。コレクションテーマに合わせて、シーズンごとに内装を変えていく予定。店内では、メンズとウィメンズのウエア、スカーフ、靴、ジュエリーなどを展開している。スカーフは限定でアーカイブ作品を販売しており、ジュエリーにも一部限定商品がある。
「僕のコレクションを体験してもらえるベストな環境を実現したいと思った。エントランスにこだわり、グラフィティーのドアは特に気に入っている。モチーフはプレスリーの髪型なんだ、分かる? 今シーズンのテーマが"don't be cruel"だからね」と、エルビス・プレスリーが自身で初めてプロデュースしたシングル『don't be cruel(日本題:冷たくしないで)』にかけたウィットなのか、ジュリアンは微笑む。ちなみにこの曲は無造作で普段着の感覚を表現するために28回テイクを重ねたという、ポップス史上有名な逸話で知られ、ブランドのクリエイションともオーバーラップする。
「表参道や原宿からそれほど離れていないロケーションは僕達にとって最高の場所。青山ほどコマーシャル的に確立されていないし、原宿のパワーを感じるが客層は原宿ほど若くない。ショップ名をJULIEN DAVID JINGUMAE SHOPとしたのは、それぞれの場所にはそれぞれのヴァイブがあると信じているから。今後新たなショップを作る場合も、場所にあった演出、音楽、キャラクターで、そこでしかできないショップにしたい。まずは第1号店から色々学びたい。パートナーを見つけて来年には2号店を出店できればと思っている」としている。