アンダーカバー(UNDERCOVER)2015-16秋冬コレクションテーマは「hurt(傷)」。デザイナー・高橋盾らしくダークさが快い。
スラッシュという傷が入ったインビテーションが送られてきた今季。ニットはスラッシュで切り替えられ、テーラードジャケット、ブラウス、トラウザー、コートなどに亀裂のようなダーツがランダムに取られている。パンツもスラッシュが入り、サテンやシフォンなど別布で切り替えられている。白衣のようなコートの胸元には傷を作るナイフの刺繍も。
極め付けはミヒャエル・ボレマンスの作品が全面プリントされたロングスカートやワンピースたち。痛々しさを感じるボレマンスの作品は今季のアンダーカバーにかなりふさわしい。そういえば、モデルの顔は透明なマスクで覆われ、ボレマンスの絵画のような質感を帯びている。
熱で立ち端を溶かして処理した鼈甲のようなPVCのジャケットに穿たれた傷は生々しい印象だ。ラストは白と黒の亀裂の入ったイブニングが続いた後、破片が縫い付けられたスーツ、コートが登場し、見るからに痛々しく終わった。