サカイ(sacai)の2015-16秋冬コレクションは力強い。オーバーサイズのガーメントを解体し、リサイズして新しいプロポーションを作るリアルな洋服に仕上げた。
M43ジャケットやシャツはダーツ、タックを駆使してフレアやフィットを出し、女性的なフォルムを構築。メンズのワイドパンツはタックを取ってキュロット風に。解体した部分には異素材を差し込み、パーツをつなぐ。キルティングでつないだメルトンコートなどはキルティングステッチをメルトンにも施す。太い0番手の糸を用いてはっきりと主張する。
秋冬らしくレザーとファー使いも目を引く。ニットとレザーを合わせたブルゾンはケーブルニットの上に薄いディアスキンをボンディングして、紋様をレザーに写した。後半のバハストライプをファーとグログランで描いたコートは圧巻のルックだ。
トライバルな要素も取り入れられた。ミラーワークなどのトライバルな刺繍や民族衣装のような張り出したぺプラムやスカートは裏にハードチュールを仕込みクチュール的でもある。
豪勢な素材使い、力強いシルエット、自信に溢れたスタイリング、日本の“今”を先導するサカイの勢いを感じられずにはいられないランウエイショーだった。