「シャネル(CHANEL)」を代表する香水「ナンバーファイブ(N°5)」を紐解く「ナンバーファイブ・カルチャーシャネル(N°5 CULTURE CHANEL)展」が、パリの現代美術館パレ・ド・トーキョーのゲストプログラムとして5月5日から6月5日まで開催される。
本展ではシャネルと芸術との永続的なつながりに焦点を当て、N°5の本質を明らかにすることを企図。展覧会は、様々な一致を楽しむ緻密なゲームのように構成され、N°5という香りを解読する。展示物同士を関連付け、N°5を、その生まれた時代や、当時隆盛を極めたアバンギャルドムーブメントと結び付けていく。
モスクワのプーシキン美術館や北京の中国美術館、広州オペラハウスにて行われた「カルチャーシャネル(CULTURE CHANEL)展」に引き続き、キュレーターはジャン=ルイ・フロマン(Jean-Louis Froment)が担当。
N°5は、1921年にガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)が初めて発表した香水。ロシア宮廷で働いていた調香師のエルネスト・ボー(Ernest Beaux)と協働し、「女性そのものの香りのする」香りを発明した。単一の花を模した香りが主流であった時代に生まれた初めて“抽象的な”香りを創造。80種類もの香料が使われている。 試作品の番号をそのまま香水の名前としたが、偶然にも「5」はシャネルのラッキーナンバーだった。スクエアなエッジのボトル、黒で縁取られた白いグログラン製のパッケージなど、ビジュアルにも厳格なミニマリズムを追求し、N°5はブランドを象徴する香水となった。マリリン・モンローが「N°5を着けて寝る」と答えた発言はあまりにも有名なエピソード。