オープンから6年を迎えた東京・六本木の複合型商業施設「東京ミッドタウン」がテナントの契約改定期を迎え、25日にリニューアルオープンした。
今回、全体の約3割に当たる42店舗が新規出店となり、店舗数は135から130に。テナント区域の分割や統合があり飲食の店舗数が減ったものの、ファッション店舗が増加した。「クロエ」や「ボッテガ・ヴェネタ」などのハイブランドは撤退、ラグジュアリーなブランドよりも、人のライフスタイルが見えるような、より身近な存在感のブランドを多く集めたという。
日本初出店は前田華子率いるウィメンズブランド「アディアム」、高級革小物ブランド「ヴァレクストラ」、デニムブランド「ヤコブ・コーエン」、ウィメンズ・メンズ・キッズアイテムがそろうLAブランド「ジェット」の4店舗。ワールドの「ラ・ブティック・ドレステリア」やベイクルーズの「フィガロパリ」などが関東へ進出。「マッキントッシュ・フィロソフィー・ラウンジ」「45R」など既存ブランドの新業態も開業。「ロンハーマン」「ストラスブルゴ」「ザ・シークレット・クローゼット」など人気店も誘致されている。共用環境周りでは皆川明デザインによるソファが新たに設けられた。
三井不動産東京ミッドダウン事業部長兼東京ミッドタウンマネジメント代表取締役の中村康浩氏は、「東京ミッドタウンは震災以後毎年順調に街来者数や売り上げを増やしているため、今回は古いものを新しくする“リニューアル”というよりも、さらに高いステージへの飛躍という意味で我々は“ニューステージオープン”と呼んでいる。6年前よりも、より地に足の着いた価値観やエシカルな意識、ものづくりへのストーリーを大事にする志向性などが求められる時代になった。その流れとともに考え方を進化させて、“自分の生活を自分らしい価値観で編集して楽しむ大人”という意味を込めて、ターゲットを年齢や性別を問わない『ライフスタイルエディター』に定義し直し、子ども向けの店舗も新たに加えたりなどのテナント編成を行った。また、ヴァレクストラなど海外では人気を誇りながらもあまり日本では充分に名前が通っていないブランドをセレクトし、他施設との差別化を図っている」と説明。
奇しくも六本木ヒルズが先日10周年を迎え、同時期のリニューアルとなった。「ヒルズさんはステラ・マッカートニーやイッサなど尖がったラインアップ。我々はもう少し、ライフスタイルよりの店舗を集めておりバッティングするとは思っていない。顧客属性もあちらは映画館があることもあり若め。ミッドタウンは家族連れなど年齢層が比較的高い」と東京ミッドタウンマネジメント取締役タウンマネジメント部長の豊蔵英介氏。
売り上げはオープンした2007年を除き230億円前後で推移してきたが、リニューアル初年度は250億円を目指す。