中山路子がデザイナーを務める「ミュベール(MUVEIL)」の13-14AWコレクション。インスピレーション源は1939年公開のアメリカ映画「オズの魔法使い」。
主人公ドロシーの家をイメージし、壁紙やソファーのような柄の生地や、花やキツネをモチーフにしたクロスステッチ刺繍が使われ、カーテンやクッションに使われる縁飾りはアクセサリーになった。セピアからカラーに変わったばかりの当時の映画の色使いを再現するため、ビニールをターコイズやピンクのレースに重ねるなど、映画の世界観を様々な方法で表現している。東の悪い魔女の黒と、西の良い魔女の白の二つのシリーズや、ファーやレザーを使ったリッチなアイテム、家の形のフェルトのバッグ、中山が「秋冬にあえて提案したい」と語る、ドロシーとおそろいのカゴバッグも登場した。
パリファッションウィークでは、展示会でコレクションを発表。海外ではイタリアやモスクワなど約20件の取引先を持ち、今季は特に新規の売り上げが伸びた。「パリのコレット(セレクトショップ)でも入荷した分がすぐ売れてしまった。(海外から多くのファッション関係者が訪れる)ファッションウィークまでお店に残っていなかったのは少しだけ残念」と中山は話す。