木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、田名網敬一の『夢の悦楽』。東京・渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)によるご紹介です。
■『夢の悦楽』田名網敬一
夢日記である。
しかも、1975年から2016年までの40年間を一挙掲載した豪華版。
作者は田名網敬一。
1960年代よりコラージュという方法論を用いた、イラスト、グラフィックデザイン、アニメーション、実験映画、絵画、彫刻などの幅広い分野で活動し、サイケデリックカルチャーとポップアートを融合したポップでカラフルなイラスト、デザインワークは、国内外で高く評価されている。
そして日本版『月刊PLAY BOY』の初代アートディレクターに就任していたことも明記しておきたい。
田名網の夢に彼の作品を知っている方ならば必ず唸るものがある。
夢の中までも田名網の作品なのだ。
多くのフェティッシュ(肉体的)が極彩色に満ち溢れ、性と死が混合している。
色と色がぶつかり合い、サイケデリックに文章は度々飛ぶ。
しかし、ふとフィクションかも知れないと思わせるハッキリとした
ビジュアル(挿絵)と文章(日記)は人の夢を垣間見る悦楽へと導く。
田名網敬一創作の源泉。
ファンとしても、夢に興味がある人にもお勧めしたい豪華装幀夢日記である。
【書籍情報】
『夢の悦楽』
著者:田名網敬一
出版社:東京キララ社
ハードカバー/328ページ/235×175mm
発刊:2017年4月
価格:4,800円