前シーズン同様に、セルビッチデニムを使用したデニムのリコンストラクトからコレクションがスタートしたガンリュウ(GUNRYU)の17SSコレクション。
インディゴデニム、ヒッコリーストライプ、コットンツイル、スウェットなどワークウエアをベースにした素材やアイテムを、凝ったパッチワークやイレギュラーなパターンをクールに合わせてしまうグラフィカルなテクニック。全体のスタイリングをまとめるボトムスのバランス感は秀逸だ。
今シーズンからメンズのみの展開となったアイテム。モデルは全員グラムなメイクで彩られ、ボーダーやギンガムチェックのシャツのグラフィックパターンはメンフィスデザイン風にパターン処理されている。ネオンカラーのコットンサテンのアイテムのカラーパレットや、ジオメタリック柄のニットなどは80年代初めのロンドンニューウェイブを先導したクラバーたちが、プレッピーにファッションソースを求めた時代を彷彿とさせる。
単にファッションのノスタルジアにテーマを求めるのではなく、カラビナとストラップでアウターをアクセサリーに変えてしまうアイデアなど、ブランドのシグニチャーとなる要素が随所に登場。機能性とは無縁のパンクのボンテージパンツとは違い、街やフェスなどで機能する時代を読み込んだデザインが、このブランドの立ち位置とそのタレント性を十分に表現している。
Text: 野田達哉