2016‐17年AWパリ・オートクチュール・コレクションのトップバッターでショーを開催した、ユイマナカザト(YUIMA NAKAZATO)デザイナー・中里唯馬。最新テクノロジーと伝統技術の融合で魅せた、新時代の服の形。オートクチュールに臨んだ真意、そして彼が見据える未来とは?
ーー以前から、自身のブランドや衣装にテクノロジーを取り入れられていますが、その理由は?
いつも自分の中に作りたいと思い描く像があり、それを具現化できる手段がテクノロジーだから。作るのは不可能と思っていた像が、テクノロジーによって可能になると知ったのがきっかけで、ものづくりの一つの方法として取り入れています。
ーー江戸切子や漆といった日本の伝統技術を織り交ぜたのは、どういう意図があったのですか?
もともと、ものづくりが好きでデザイナーになりました。父は彫刻家、母は彫金作家で、自宅のインテリアから日用品まで、生活に必要なものは手で作るという環境に育ったということもあってか、既製品ではないハンドメイドのものに深い愛着があります。日本の伝統技術は素晴らしいですが、大量生産は難しく、技術を継承できる職人さんも減っているのが現実。日本の技術を世界に伝え、継承していくためにも今回のコレクションに取り入れたいと思ったのです。
また、相反する2つの物が融合することで新たな側面を生み出すことができます。最新テクノロジーと伝統技術、過去と未来、デジタルとリアル。両極端なもの、どちらも僕自身は好きで、特に今回のコレクションピースとショーでは欠かせない要素となっています。
ーー国内アーティストに限らず、レディー・ガガ(Lady Gaga)など海外アーティストの衣装も多く手掛け、既に世界で活躍されているイメージがありますが、今回何故オートクチュールに参加しようと思ったのですか?
衣装制作の依頼が年々増えていき、一人ひとりと向き合って服を作るプロセスが自分には合っていると感じていました。エンターテイメント産業は海外の方が大きく、映画、セレブリティー、アーティストなど幅も広い。世界へ向けてブランドの世界観を発信し、さらなるステップアップを目指して今回オートクチュールに臨みました。
ーー挑戦したいと思ってもパリコレクションでショーを開催するというのはかなりの難関かと思うのですが。
これまでの実績や推薦状など必要な書類を用意し、4ヶ月程前にフランスオートクチュール・プレタポルテ連合協会の担当者の面接を受けました。その後も膨大な量の必要書類を準備し、"ゲストメンバー"としてオフィシャルスケジュールで開催できることになったのがショーの2ヶ月前。衣装制作などは一旦ストップし、半年間全てこのオートクチュールに注いできたので、終わってみて今はホッとしていると同時にこれからのことを考えて、どうしようと思っています(笑)。次のコレクションまでの半年は衣装制作なども同時進行しなければいけないので、これもまた挑戦ですね。
ーー世界には数多くのブランド、デザイナーが存在しますが、YUIMA NAKAZATOはどんなブランドとして確立していきたいと考えていますか?
今はデジタルとアナログの変革期で、ようやくファッションにもデジタルを取り入れ始めた時。時代の先陣を切って、これまでにはなかった新たなモデルケースになれるブランドにしていきたいですね。ただ、最新テクノロジーだけがあればいいという風には思っていません。新しいものには広い可能性を感じるけれど、それだけだとどこか味気ないというか。逆に古いものは変わらないという安心感や親しみがあるけれど、時代や産業とともに変化していかなければ、進歩せずに衰退してしまう。
僕のブランドではデジタルを駆使しながら伝統技術を現代に活かしていきたい。コレクションや衣装制作、さまざまな形でこれからもチャレンジを続け、ものづくりに真摯に向き合っていこうと思います。
--「パリコレで魅せた"体から自由に作る"未来のオートクチュール--YUIMA NAKAZATO 中里唯馬 1/2【INTERVIEW】
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ーー以前から、自身のブランドや衣装にテクノロジーを取り入れられていますが、その理由は?
いつも自分の中に作りたいと思い描く像があり、それを具現化できる手段がテクノロジーだから。作るのは不可能と思っていた像が、テクノロジーによって可能になると知ったのがきっかけで、ものづくりの一つの方法として取り入れています。
ーー江戸切子や漆といった日本の伝統技術を織り交ぜたのは、どういう意図があったのですか?
もともと、ものづくりが好きでデザイナーになりました。父は彫刻家、母は彫金作家で、自宅のインテリアから日用品まで、生活に必要なものは手で作るという環境に育ったということもあってか、既製品ではないハンドメイドのものに深い愛着があります。日本の伝統技術は素晴らしいですが、大量生産は難しく、技術を継承できる職人さんも減っているのが現実。日本の技術を世界に伝え、継承していくためにも今回のコレクションに取り入れたいと思ったのです。
また、相反する2つの物が融合することで新たな側面を生み出すことができます。最新テクノロジーと伝統技術、過去と未来、デジタルとリアル。両極端なもの、どちらも僕自身は好きで、特に今回のコレクションピースとショーでは欠かせない要素となっています。
ーー国内アーティストに限らず、レディー・ガガ(Lady Gaga)など海外アーティストの衣装も多く手掛け、既に世界で活躍されているイメージがありますが、今回何故オートクチュールに参加しようと思ったのですか?
衣装制作の依頼が年々増えていき、一人ひとりと向き合って服を作るプロセスが自分には合っていると感じていました。エンターテイメント産業は海外の方が大きく、映画、セレブリティー、アーティストなど幅も広い。世界へ向けてブランドの世界観を発信し、さらなるステップアップを目指して今回オートクチュールに臨みました。
ーー挑戦したいと思ってもパリコレクションでショーを開催するというのはかなりの難関かと思うのですが。
これまでの実績や推薦状など必要な書類を用意し、4ヶ月程前にフランスオートクチュール・プレタポルテ連合協会の担当者の面接を受けました。その後も膨大な量の必要書類を準備し、"ゲストメンバー"としてオフィシャルスケジュールで開催できることになったのがショーの2ヶ月前。衣装制作などは一旦ストップし、半年間全てこのオートクチュールに注いできたので、終わってみて今はホッとしていると同時にこれからのことを考えて、どうしようと思っています(笑)。次のコレクションまでの半年は衣装制作なども同時進行しなければいけないので、これもまた挑戦ですね。
ーー世界には数多くのブランド、デザイナーが存在しますが、YUIMA NAKAZATOはどんなブランドとして確立していきたいと考えていますか?
今はデジタルとアナログの変革期で、ようやくファッションにもデジタルを取り入れ始めた時。時代の先陣を切って、これまでにはなかった新たなモデルケースになれるブランドにしていきたいですね。ただ、最新テクノロジーだけがあればいいという風には思っていません。新しいものには広い可能性を感じるけれど、それだけだとどこか味気ないというか。逆に古いものは変わらないという安心感や親しみがあるけれど、時代や産業とともに変化していかなければ、進歩せずに衰退してしまう。
僕のブランドではデジタルを駆使しながら伝統技術を現代に活かしていきたい。コレクションや衣装制作、さまざまな形でこれからもチャレンジを続け、ものづくりに真摯に向き合っていこうと思います。
--「パリコレで魅せた"体から自由に作る"未来のオートクチュール--YUIMA NAKAZATO 中里唯馬 1/2【INTERVIEW】
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