「2020年 笑っているのは誰 ?+?=??」“ビデオアートの父”芸術家・ナムジュン・パイクの没後10周年記念展

2016.07.17

20世紀最大の芸術家・ナムジュン・パイクの没後10周年記念展「2020年 笑っているのは誰 ?+?=??」が、7月17日より東京神宮前ワタリウム美術館にて開催される。

ナムジュン・パイクは、“ビデオアートの父”として知られる芸術家。1963年にヴッパータールで世界初のビデオアート作品を発表すると、テレビを使ったアートの可能性を探るべく、当時カラーテレビ放送の始まっていた日へと来日秋葉原で買い集めた部品から、TBSに勤めていたエンジニアの阿部修也とともに世界初のアートロボット「K-456」を共同製作した。

その後、ブラウン管の走査線を強力なマグネットで歪めた「マグネットTV」や、後のミュージックビデオに多大な影響を与えたビデオアート作品「グローバル・グルーヴ」、禅寺の石庭をテレビへと置き換えた「TVガーデン」など、テクノロジーと仏教的世界観を融合した作品を多数製作。1974年には現在のインターネットの原型となる「エレクトロニック・スーパーハイウェイ」を構想した他、1984年には衛星技術を用いて世界中にパフォーマンスを同時配信するサテライトアート作品「グッド・モーニング、ミスター・オーウェル」を発表した。

同展では、ワタリウム美術館コレクションより、ナムジュン・パイクが最も活躍した70年代から90年代にかけてのインスタレーション、ビデオ、ペインティング、ドローイングなど230点にも及ぶ作品を展示。作品をより深く理解すべく、パイク自身の手による未発表原稿や、参禅先の永平寺にて製作したビデオアート作品、筑紫哲也による当時のTVインタビュー映像なども展示される。また、特別に設けられた一部屋の展示室では、ナムジュン・パイクが生涯を通じて「ユーラシア」と呼ばれる共同製作を行ったドイツアーティストのヨーゼフ・ボイスに関する作品群を見ることができる。

なお、展覧会のタイトルは、ナムジュン・パイクが1993年にワタリウム美術館カタログに寄稿した、「2020年に笑っているのは誰か」という大胆な予測にちなんでつけられたもの。20世紀最大の芸術家とも言われるナムジュン・パイクが26年前に予想した、2020年に笑っている人物とは一体誰なのか。展示の中に、その答えも隠されている。

展示は前後半の2部に分かれており、1部が7月17日から10月10日まで、2部が10月15日から17年1月29日までとなっている。

イベント情報】
「2020年 笑っているのは誰 ?+?=??」
会場:ワタリウム美術館
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6
会期:7月17日~10月10日、10月15日~17年1月29日
時間:11:00~19:00(水曜日は21:00まで)
料金:大人1,000円、学生(25歳以下)800円、小中学生500円、70歳以上700円
休館日:月曜日(7月18日、9月19日、10月10日、12月5日、12日、19日、17年1月9日は開館)、10月11日~14日、12月31日~17年1月3日
HEW
  • 「2020年 笑っているのは誰 ?+?=??」“ビデオアートの父”芸術家・ナムジュン・パイクの没後10周年記念展
  • X氏のハート/1976-82 /キャンバスにエナメル・ペイント/66×41.4cm
  • ケージの森/森の啓示/ 1993 /植物、モニター20台、映像3チャンネル、再生機3台、ステレオ1組/554×465×800cm
  • フルクサスバス/ 1978 /紙にクレヨン、サインペン/29×20.5cm
  • ニュー・キャンドル/ 1993 /ろうそく、ろうそく立て、カメラ1台、ビデオプロジェクター4台/500×310cm
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