阿部千登勢によるサカイ(sacai)の17SSメンズコレクションショーは、リュクサンブール公園内のオランジュリー(柑橘系樹木用温室)を会場に開催された。
ベートーヴェン作曲の交響曲第9番、第2楽章をアレンジしたBGMが流れる中登場したのは、同曲を使用したスタンリー・キューブリック監督の1971年の映画『時計じかけのオレンジ』に登場する主人公、アレックスを思わせるダービーハットを被ったモデル。
しかし映画で見られたような毒々しさはなく、着用しているのはカンバッジを飾ったピンクのオールインワンだった。ピンクのシリーズは続き、全てのルックにフィッシュネットロングスリーブTシャツがコーディネートされている。
南米風のポンチョ風ブルゾンのヘムにはフリンジが飾られ、カジュアルな中にデコラティブな要素を加える。赤のチェックはイギリス風で、細かなモチーフがプリントされたブルゾンはメキシコ風。ストライプのシリーズではワークウェア風のコートやブルゾンが見られ、素材と色とアイテムのバリエーションは豊か。様々なエレメントがミックスされて1つの世界観を描いていく、sacaiならではのコレクションとなっていた。