今年8月、リニューアルオープンをする宮崎のフェニックス・シーガイア・リゾート(宮崎市山崎町浜山)に、小山薫堂が提唱する“湯道”を体現した初の湯室「おゆのみや」がある。
他人と裸で湯槽に浸かるという世界でもごく稀な風習を持つ日本の“お風呂文化”。そんな日本の生活に根付いたお風呂を極める道として、“湯道”が発足した。小山薫堂が提唱するお風呂を極める道“湯道”をコンセプトとした公認湯室の第1号として誕生した「おゆのみや」では、“湯道”における作法を実践するための様々な工夫が施されている。湯室には、左官職人・挾土秀平が手掛けた濡れると独特の光を放つ石“黒霞”を使用した湯槽や立山周平による天井画の他、小山薫堂による総合プロデュースのもと、宮崎県を拠点とするアーティストや職人による宮崎の工芸品を“湯道具”として採用している。
小山薫堂が提唱する“湯道”の作法とは、一に合掌に始まり、二に潤し水(うるおしみず)でコップ一杯の水で水分補給、三に脱いだ衣類を隠す衣隠し(きぬかくし)、四に湯桶で体を清めるとともに湯加減を確認する湯合わせ(ゆあわせ)、湯に浸かる五の湯三昧(ゆさんまい)と続き、最後の九にはやはり合掌で終わるというもの。お湯に浸かることへの感謝や、公共の場での他社への思いやり、自己との対峙など“湯”を通じて学びを得ることを目的としている。
営業時間は7時から、15時から、20時からの各2時間で、1日3組限定となっている。価格は一棟あたり消費税込で、一般宿泊が6,500円、クラブツイン宿泊ゲストが5,200円、クラブスイート宿泊ゲストが無料となっている。湯懐石として特製かき氷がついてくる他、手ぬぐいも貰える。
フェニックス・シーガイア・リゾートは、昨年同じく小山薫堂による「宮崎牛」を多彩な調理法で提供する6席だけの牛肉割烹店「うしのみや」の開業をはじめ、ロビーやフロントエリア、客室の積極的なリニューアルを行っており今年の8月1日にはリニューアルオープンを予定している。