イタリアの素材メーカー、アルカンターラ社のアンドレア・ボラーニョ(Andrea Boragno)CEOは3月26日、イタリア大使館で会見し、日本のファッション市場への本格参入など、新たなビジネス戦略を発表した。会見はヨウジヤマモト社のワイズ(Y's)とのコラボレーションによる14-15AWコレクションのファッションショーを始め、同社の素材アルカンターラを使用した商品を日本に紹介するイベント「イタリアのアートと日本のテクノロジーの融合」で行われたもの。
同社の2013年の総売上高は前年比5.9%増の1億1,070万ユーロ。用途別では自動車業界が63%を占めているが、ファッション産業は既に総売上高の10%となっている。同社は昨年のイベントで、ビジネス戦略として、ファッション、コンシューマ・エレクトロニクス、家具・インテリアなど、自動車業界以外への積極的な進出を発表したが、ボラーニョ会長兼CEOは「今後もメイドインイタリー、テーラリングによるさまざまなニーズへの対応、サステイナビリティに力を入れていきたい」とするとともに「今回のワイズとのコラボレーションは日本のファッション業界への本格進出の入り口となるもの。日本のファッション市場はポテンシャルがある。日本の消費者は知識があり、目が肥えている。また、イタリア製品を高く評価していて、購買力もある。可能性は大きい」と強調。今後も東京から発信を続けていくことでファッション業界でのブランド認知度を高め、デザイナーやブランドとのコラボレーションなども行っていきたい考えだ。
イベントではクラッチバッグ、ショルダーバッグ、トートバッグなど、50年代、60年代のイタリアの注文婦人服をテーマにした女性用小物の特別コレクション「ア・アルカンターラ」も紹介した。今回は同ブランドのプレプレゼンテーションとなるもので日本での本格展開は数シーズン後となる見込み。