CUNEは殺虫剤バルサンまみれ【14-15AW東京】

2014.03.18

川崎」「餃子」「キャベツの芯」……これらに通ずるのは何か?答えは安田裕紀によるファッションブランド「キューン(CUNE)」のコレクションテーマだ。

ファッションブランドでもモードでもなく“かろうじて服”を作っていると掲げるCUNE。3月17日にインスタレーション形式で発表した14-15AWコレクションはライオンが製造販売している燻煙式殺虫剤「バルサン」がテーマだった。会場も渋谷・道玄坂のラブホテル街という立地で人を食っている。

スモークが焚かれ、正に殺虫中といった様子(煙は無害)の場内には「バルサン」プリントに溢れた服達が並ぶ。今回はすべてメンズ。バルサンロゴは文字の大きさを変え、スーツやコートを覆う。ボンデージパンツには前キルトにプリントされ、パンクスピリットなどあったものではない。バルサンの缶を並べたテキスタイルアンディ・ウォーホルのキャンベルスープ缶を彷彿とさせる。

一見悪ふざけのように取れるコレクションだが、洋服のディテールは凝っている。ニードルパンチで煙模様を施したヘリンボーンジャケットやバルサンのパッケージを閉じ込めたアクリルトグルのダッフルコートなど手が込んでいる。細かい部分では、右前合わせなどウィメンズの仕様を取り入れている。ロングのスウェットワンピースやチュールを用いたボザム、丸襟シャツ、プリーツスカートが付いたジャケットなどフェミニンな雰囲気。テーマがテーマなので最早何でもありの状態だ。

これらに合わせられるのは、ブランドが「腹巻き」と呼ぶアクセサリー。ライダース、コート、カーディガン、スウェット、ダウン型などの腹巻きが登場。アウターの上からコーディネートすることを意図したもので、オーバーサイズだ。ストラップにより肩から下げて着用する。一見スカートのようだが、そうではないらしい。またポケットがあると便利なアイテムだが、あくまでも“腹巻き”ということでポケットは殺されている。

とにかく発想が不思議なブランドだが、特に深い意味は無いとのこと。考えるだけ無駄であろう。
編集部
  • CUNE14-15AWコレクション
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