アーティストでデザイナーのヌケメ(Nukeme)と、グラフィッカーとして「GraphersRock」の名義で活動を行うアートディレクター岩屋民穂の合作展「Dear Supreme, Dear PLAY」が、新宿眼科画廊で6月9日から14日まで開催される。
90年代のストリートカルチャーやクラブカルチャーから多大な影響を受けてきたGraphersRock。特に彼が思い入れの強い、シュプリーム(Supreme)の私物キャップのカスタムをヌケメに依頼したことに始まり、昨今の同ブランドへの一種過剰ともいえる盛り上がりに疑問を抱く。この状況への一つの抵抗として、既存のロゴを刺繍データのグリッチによって変容させるヌケメの作品を経由し、現代の自身のリアリティーを表明しようとする試みが、同展開催のきっかけとなる。
さらに、ヌケメがファッションデザイナーを目指すきっかけの一つとなった、コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)のプレイ(PLAY)を加えたことで、それぞれのブランドに対する、ある種の愛情表現が展示作品へと結実。「これは純粋なファンアートだ。シュプリームもプレイも心から愛している」というGraphersRockの言葉からも溢れる愛は感じ取れるが、同展に向け2人はまず、改めてそれぞれの正規店に早朝から並んで商品を購入することからスタートしたという。
ヌケメは、「企業ロゴやアイコンにグリッチ刺繍をかける作品を作っていると、“企業の姿勢を批判している”と、捉えられることがあるけれど、そうでは無く、逆に批判を目的にモチーフを選び出すと、ストレート過ぎてつまらなくなると思っている。ロゴが持っている文脈をある程度把握してないと作品化は難しいし、リアリティーも無くなる。今回は特に自分たちの思い入れがあるものとしてシュプリームとプレイを選び、“Dear”というタイトルをつけられてよかった」と同展についてコメントしている。
【展覧情報】
Dear Supreme, Dear PLAY
Nukeme & GraphersRock
会期:6月9日~14日
会場:新宿眼科画廊
住所:東京都新宿区新宿5-18-11
時間:12:00~20:00(14日のみ17:00まで)