2017年のバレンタイン商戦に向けての発表が相次ぐなか、銀座三越と日本橋三越本店では、それぞれ独自のテーマを掲げ、限定商品を含めた商品構成で新たなバレンタイン需要に対応するという。
銀座三越の2017年バレンタイン「ギンザ スイーツ コレクション(GINZA Sweets Collection)」のテーマは「tressaillir de joie!」。直訳すると「ワクワクする」を意味する。恋人だけでなく友達や家族など、誰かと一緒にチョコレートを楽しんだり、お気に入りの味を見つけるなど、バレンタインを新たな経験で記憶に残るものにしてほしいという意味が込められている。
今回日本初上陸で銀座三越のみの限定販売となるのが「リリアン・ボンヌフォア(Lilian Bonnefoi)」。南フランスの高級リゾートホテル「オテル・デュ・キャップ エデン=ロック(Hotel du Cap Eden-Roc)」で腕をふるうリリアン・ボンヌフォアが2015年10月にフランス・アンティーブに開いたブティックだ。これまでにホテルのショコラティエとしての味は日本にも届いていたが、今回は産地別のクーベルチュールを使用したボンボンショコラのアソートやタブレットなどがモダンなパッケージのオリジナルブランドの味わいに注目したい。
例年会期の早い段階で完売してしまうのが、ベルギーの8ブランドを代表する味わいを揃えた「ベルギーセレクションボックス」(税込3,501円/800点限定)だ。2017年度は「メモリー」をテーマに、「セントー(Centho)」「ブノワ・ニアン(BENOIT NIHANT)」「ヴィタメール(WITTAMER)」「デルレイ(DelRey)」「ドゥバイヨル(DEBAILLEUL)」「プラリベル(Pralibel)」「ブリュイエール(Bruyerre)」「デジレー(Desiree)」が、それぞれ思い入れのあるショコラで競演する。
銀座三越のバレンタイン向けの特設販売は17年1月25日から2月14日まで、銀座三越7階の催物会場と9階銀座テラス/テラスコートにて実施する。約70ブランドが登場する予定だ。
一方、日本橋三越本店の2017年バレンタイン「ニホンバシ スイーツ コレクション(NIHOMBASHI Sweets Collection)」のテーマは「cacao journey ~カカオを旅する・カカオと旅する~」。16世紀に南米から世界中へ広がったカカオだが、昨今はその産地や製法、伝統などの背景にも注目が集まっている。そこで、日本橋から様々なカカオに出会う旅に出てほしいというのが今回の意図だ。
会期は17年2月1日から14日までの2週間、本館7階催物会場にて約90ブランドを予定。ホテル インターコンチネンタル 東京ベイの徳永純司によるショコラは、バレンタイン限定のものが登場する。なかでもバラとフルーツを使った4種類のショコラは、華やかなピンクや赤のハートの形にダマスクスローズのローズウォーターを使用。食べると口のなかでバラの香りが広がる優雅な体験ができる。徳永氏によると、香りのバランスには配慮したという。
このほか、日本橋三越本店で先行販売される「岡田美術館チョコレート」の神坂雪佳「燕子花図屏風」をモチーフにしたボンボンショコラや「ショコラトリー・ドゥ・モナコ(Chocolaterie de Monaco)」の陶磁器のトレイがついたショコラなど、バレンタイン以外の贈り物にも使いたくなる商品も並ぶ。
さらに、日本橋三越本店ではスイーツ コレクションの開始に先駆けて、17年1月25日から31日まで約12ブランドを集めたコーナーを設置する。なかでも注目なのが、中目黒の「グリーン ビーン トゥ バーチョコレート(green bean to bar chocolate)」。カカオ豆と砂糖のみを使い、約45日かけて作られるチョコレートの販売のほか、産地別チョコレートの食べ比べワークショップなど、チョコレートの学び体験も提供する。
担当者によると、バレンタインの男性への贈り物としての需要に加え、昨今は男女問わず自分のために購入する人が多く、むしろ贈る場合よりも購入単価は上がっているという。旧来の女性が男性に愛を告白するためのツールとしてではなく、「目移りするほどのチョコレートに出会えるイベント」としての位置づけがさらに強まっているようだ。インターネットでの販売はいずれの店舗も17年1月9日の午前10時から、2月3日の午前10時までとなっている。