国立代々木競技場第二体育館で7月に開催された、デザイナー三宅一生企画・コスチュームデザイン、ダニエル・エズラロウ演出による特別公演「青森大学男子新体操部」とその完成までのプロセスを描いたノンフィクションフィルム「フライング・ボディーズ(FLYING BODIES)」が完成した。11月30日のテアトル新宿でのワールドプレミア・スクリーニングを皮切りに、テアトル梅田などで一般上映される。
本作では、公演の準備段階から本番当日までの3ヶ月に渡る青森大学新体操部の挑戦の日々を中野裕之監督が追ったもの。前半は4月に初めてエズラロウが青森を訪れる初対面のシーンから始まり、エズラロウのイメージを実現していくための地道な練習や寮生活の様子、選手やコーチ陣へのインタビュー、三宅一生による衣装フィッティングの様子などを映し出した。これまで経験したことのない内容とスケールの新しいショーの成功に向けて、何を感じ、どのように練習に取り組んできたのか、プロジェクトの舞台裏が紹介されている。
完成披露試写会で中野監督は「全日本選手権で何連覇もするような名門の青森大学新体操部に世界的な演出家が無理難題を言いながら、彼らの美しい演目をつないでいった3ヶ月間を記録した。純粋な(心を持つ)”リンゴ男子”が空を舞うところを見てほしい」と話し、本作の今後について「(男子新体操を)オリンピックの公式競技にしたいという思いもあることから、映画祭への参加など、海外での作品発表に向けても動き出している」と明らかにした。