ビニルアセテート関連事業の拡大を目指すクラレが、米デュポン社の同事業を買収

2013.11.25
クラレは米デュポン社との間で、同社が持つビニルアセテート(VA)関連事業を譲り受ける契約を締結した。買収金額は5億4,300万ドル及び当該事業に付随する在庫相当額。所管当局の正式な承認を経て、2014年前半の完了を目指す。

デュポン社のVA関連事業は、安全ガラスの中間膜として使用されるポリビニルブチラール(PVB)シートのほか、ビニルアセテートポリマー(VAM)、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂など、建築自動車など幅広い産業分野において使用される製品群を持ち、既に数々の実績を上げている。2012年12月期実績の年間売上高は5億ドル以上。アメリカヨーロッパアジアに計6ヵ所の製造拠点があり、世界中に350社以上の顧客を有している。

買収するクラレも、世界に先駆けてPVの工業化に成功したVA関連事業のパイオニア企業。PVA樹脂、PVB樹脂・フィルムのほか、液晶ディスプレイや洗剤個包装などに使用される PVAフィルム、食品包装やガソリンタンクなどに使用されるEVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)樹脂などを世界的に展開している。

今回の買収は、コア事業の一つであるVA関連事業の拡大戦略の一環として実施するもの。クラレはデュポン社のVA関連事業に携わる世界中の優秀な人材、高度な技術力と開発力、そして生産・販売網を手にすることで、今後のVA関連事業大きく成長・発展させることができると判断した。事業譲受完了期日の関係から、2014年3月期の連結業績に与える影響は発生しない見込み。
薄井テルオ
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