高気温と台風の影響を受け、10月の百貨店売上高は3ヵ月ぶりのマイナスに

2013.11.20
百貨店協会が10月の全国百貨店売上高概況を発表。売上高総額は4,907億円、店舗数調整後の前年同月比では0.6%の減となった。マイナスになったのは3ヵ月ぶり。最大の要因は天候不順で、中旬過ぎまで続いた高い気温と3つの台風(24号・26号・27号)の接近・上陸が、季節需要の低下や入店客数の減少につながった。

商品別では美術・宝石・貴金属が19.7%増、雑貨が6.0%増、身のまわり品は1.6%増と好調な売れ行きが続いているが、主力の衣料品が4.2%の減と振るわなかった。衣料品は月後半からの気温低下で冬物商材が動き始めたが、前半のマイナス分を挽回するまでには至らなかった。主要5品目では雑貨が12ヵ月連続、身のまわり品が3ヵ月連続、家庭用品が2ヵ月ぶりのプラス実績。反対に衣料品と食料は3ヵ月ぶりのマイナスとなった。

地区別では店舗の改装効果や増床効果が続いている東京(前年同期比1.2%増)、名古屋(同2.0%増)、大阪(同5.7%増)を中心とした10都市(同0.9%増)が全体を下支え。一方でそれ以外の地区(同3.5%減)での落ち込みが大きく、10都市のプラス分を補うことができなかった。10都市の売り上げ動向は3ヵ月連続のプラス、10都市以外の地区別売上動向は4ヵ月連続のマイナス。

訪日外国人は東南アジアの好調に加えて、国慶節休暇を機に回復傾向が見えた中国が売り上げ・客数を後押し。10月は共に前年比2倍半(売り上げは同150.9%増、客数は同142.3%増)の伸びを示した。
薄井テルオ
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