11月6日からB to B向け国際見本市「IFFT/インテリアライフスタイルリビング」が東京ビックサイトでスタートした。今年は世界12ヶ国・地域の329社が出展。最終日は8日17時終了。
会場では、日本の2大家具産地の「旭川」と「飛騨」の木工メーカーが集結。約10年ぶりに団体出展となる飛騨からは、「飛騨産業」がトラフ建築設計事務所デザインの新作「こぶりな(cobrina)」シリーズを発表。旭川からは、「匠工芸」「インテリアナス」「加藤木工」など12社が新たに開発した商品を出展している。
更に、世界的な木工家具デザイナー、ジョージ・ナカシマの作品や、1,200脚以上の名作イスを所有する研究者・織田憲嗣のコレクション、建築家・安藤忠雄デザイン「ドリームチェア」(カール・ハンセン&サンジャパン)、デンマーク人デザイナーのヴェルナー・パントン(Verner Panton)の復刻チェアなど、名作の展示コーナーも充実。
また、世界で注目を集めるインテリアや生活雑貨が多数出展。愛知県に拠点を置く「カリモク家具」が世界のトップクリエーターと開発したブランド「カリモクニュースタンダード」からはデザインスタジオ「SCHOLTEN&BAIJINGS」「BIG-GAME」との協業プロダクトが登場。フランスの「リーン・ロゼ(ligne roset)」は、国際的に活躍する気鋭の「Outofstock」によってデザインされたミラーシェルフ「Vanity Shelf」を国内で初公開している。
その他、パリの「ホテル・デュ・プチ・ムーラン」のスイートルームの内装を手掛けた「クリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)」の新作ファブリックや、ミラノ発ブランド「DISCIPLINE」から岩崎一郎デザインの「TAGスツール」などが登場。タイや中国、台湾など海外メーカーの出展も増えている。
企画展として、建築家・芦沢啓治プロデュースによる「CREATIVE RESOURCE」を開催。デザインマテリアルやパーツ、技術など、創造活動のためのリソースにフィーチャーした本展は三つの企画を展開。スキーマ建築計画代表・長坂常と芦沢啓治のブースでは、当たり前の素材からデザインを考察。日本の伝統的な木工技法「ウヅクリ」を利用して3色の塗料を地層のように塗り重ね、研磨した板を構成することで成立する家具シリーズ「ColoRing」をパーツと共に展示。
また、インテリア情報専門誌『コンフォルト』と「R不動産」による“白”をテーマにした展示や、倉本仁、ドリルデザイン(DRILL DESIGN)、岡安泉、小林幹也、吉行良平、藤森泰司らクリエーターと硝子工房による9組のユニット「9lass」の「ヒカリ展」が催され、来場者の注目を集めていた。
「元々、日本家具振興会が主催する家具に特化した見本市だったが、2008年よりドイツのメサゴ・メッセフランクフルトが加わり、毎年6月に開催される国際消費財見本市『インテリアライフスタイル』のコンセプトがプラスされ、インテリア・デザイン市場のための国際見本市として規模が拡大した。最近では、メーカーだけでなく、若手クリエーターの方々の関心も高くなり、そういった点でも、単に完成品を展示するのではなく、材料や技術など製作の過程も見せていく展示にしたかった」と本展のクリエーティブ・ディレクターの1人、青木昭夫氏。
今回、芦沢氏にプロデュースを依頼した経緯について、「芦沢氏はプロトタイプ展開催の実績もあるし、何より、コミュニケーション能力が高い。職人やクリエーターの良さを引き出せる方だと思い、企画展のプロデュースをお願いした」と説明。
35歳以下の若手デザイナーが商品化前のプロトタイプを発表する「TALENTS」や、若手企業家が商品化された新規ブランドを発信する「NEXT」など、若手支援プログラムが秋としては初めて設置される他、トークショーやワークショップも連日開催。初日には閉場を1時間延長しカクテルアワーを開催。メーカーやクリエーターが垣根を超えて交流する姿が見られた。