吉原秀明と大出由紀子によるハイク(HYKE)が3月24日、東京・中目黒のハイクショールームで2017-18年秋冬コレクションを発表した。東京のファッション・ウィーク初参加となった今回。モデルを使ったインスタレーション形式で2回のプレゼンテーションを行った。
服飾の歴史、遺産を自らの感性で独自に進化させることをブランドコンセプトにしたハイク。今シーズンはライダースジャケット、フライトジャケット、アウトドアクロージングからインスピレーションを得たコレクションを提案した。
ライダースジャケットのように首元の2つのボタンと斜めに走る銀のファスナー、ベルトなどを付けた、着物やガウンを思わせるオーバーサイズの襟無しコート。装飾を取り去り他のアイテムとして再解釈したライダース。袖をなくしたデザインや、前後を逆に着たように前身頃のデザインを取り去ったデザインのMA-1ブルゾン。襟もボタンもないジャケットや90年代を彷彿とさせるロングジレ。それらのアイテムを膝下まで続くロングワンピースやロングドレスとパンツの重ね着などと組み合わせる。手のひらを隠すほどの長すぎる袖などトレンドもあるものの全体の印象は禁欲的だ。
ミニマリズムという言葉を思い出させるデザインとアイテム、その本質はグリーン(green)時代から変わらない。だが、ベーシックアイテムを異素材や異なるアイテムと組み合わせるデザインが続いた後、80年代、90年代の復刻や再解釈とも呼べそうなデザインが登場する中では、逆に新鮮でオンタイムにも見える。
アマゾン ファッション ウィーク東京(Amazon Fashion Week TOKYO)への参加を継続するのかなど、今後の展開も注目されそうだ。