3月20日、デザイナーの西崎暢が手がけるウジョー(Ujoh)が、2017-18年秋冬コレクションショーを渋谷・ヒカリエで開催した。
テーラリングの技術をベースに、パターンの新たな可能性と価値を追求。その工程を「服のつくりを美しく、丁寧に、壊す」と西崎氏は表現する。
テーラードのコートやジャケットはカットオフされ、スナップボタンやストラップでつながれ、新たな構造を持った一着として生まれ変わった。その切れ目からはクラシックなチェックや、壁紙のような柄を刺繍で施したワッシャーオーガンジーなどが、モデルのウォーキングに合わせて見え隠れする。
袖にたっぷりとラグジュアリーなファーをあしらったコートの下は、シャツワンピースとパンツを合わせてエフォートレスシックなスタイルに。オーバーシルエットふんわりと体を包み込むローゲージニットは、サイドには大胆なスリットが入れられ、その下ではドレッシーなロングスカートがモデルのウォーキングに合わせて揺れる。
全体を通してスタイリングのアクセントとなったのは、スポーティーな要素。パンツのサイドを走るラインや、シャークソールの厚底シューズ、そして、ユニークなクリエイティブで知られるレッグウエアブランド・アヤメ(Ayame)が手がけたライン入りソックスが、フレッシュな息吹をスタイルに吹き込んだ。
クラシックでありながらモダン、エレガントでありながらスポーティー。リーンなシルエットにワイドなシルエット。アンバランスな組み合わせだがしっくりと体に馴染み、着る人の存在感を引き立てるスタイルに仕上がっているのは、パタンナー出身のデザイナーならではの、確かなテーラリング技術のなせる技だ。
ミラノファッションウィークでショーを開催するなど、海外での活躍も注目されるウジョー。「前向きな感じで服作りができている。でももっと海外に出ていくためには一皮も二皮もむけなければいけない。チャンレンジしていく姿勢が自分のブランドには必要だと思う」と語る西崎氏。日本のファッションシーンを率いるデザイナーの一人として、その今後も期待されている。