ジュリー・ドゥ・リブラン(Julie de Libran)によるソニア リキエル(SONIA RYKIEL)は3月4日、パリの国立高等美術学校(ボ・ザール)を会場に2017-18年秋冬コレクションショーを開催した。
前シーズンからのユニフォームスタイルを継承しつつ、オーガニック素材を用いてナチュラルな要素も加味。また、前衛的な作風で一世を風靡したアーティスト、ニキ・ド・サンファル(Niki de Saint Phalle)の作品から引用したモチーフでアーティスティックな雰囲気にまとめている。特にニキ・ド・サンファルの代表的な彫刻作品『Nana』からインスパイアされた『Les nanas au pouvoir(力みなぎる女子達)』という文字がニットのインターシャとして登場。
その他にも、ニキ・ド・サンファルの描いた花と、ブランドのコードである唇のモチーフをミックスしたプリントや、ローエッジのパーツをあしらったアーティーな味付けの花モチーフ刺繍など、ニキ・ド・サンファルのエッセンスが随所に散りばめられていた。
マスキュリン・フェミニンなアイテムが趨勢を締めるが、ツイード素材に使用される羊毛糸をステッチしたり、ツイードのパーツをアップリケして装飾性をプラス。ヘムが四角になっているケープコートや、ミリタリー風の金ボタンのフェイクファーコートは、身体をプロテクトするものとしての毛布から着想。
得意とするニットについては、今シーズンは手刺繍風のモノクロのジャカードが登場。白い糸が何本も垂れ、途中で刺すのをやめてしまったよう。しかし、それは“未完成という完成”を感じさせ、コレクション全体に貫かれるアーティスティックな側面と絶妙に重なるものだった。