リック・オウエンス(Rick Owens)は3月2日、パレ・ド・トーキョーを会場に2017-18年秋冬ウィメンズコレクションショーを開催した。コレクションタイトルは「グリッター(Glitter)」。
メンズコレクションも同じタイトルだったが、今回は特に70年代のスピリットに焦点を当て、改革の時代に伴うセレモニーについて考察。リック・オウエンスは、ファッションショーを一つのセレモニーとみなし、それをいかにポジティブに表現できるかを熟慮したという。
また昨年亡くなった父親が戦直後日本に滞在していた知日家で、着物のコレクターでもあったことから、マントやケープのフォルムが生まれたという。スウェットやカットソーで表現したマスクも、和のテイストから生み出されたもの。
各ルックのインナーには、シンプルなカットソーなどをコーディネートしているが、アウターの造形美はリック・オウエンスならではのもので、今シーズンは特に素材の特性を生かした大振りのアイテムを合わせたり、メンズコレクションでも見られたトップ部分のジップを外して着用する“バナナピール”と呼ばれるスタイリングでボリュームを出している。多用されている素材としては、ワックスを含ませたダブルフェイスのウールメルトンが挙げられ、独特の張りと質感を見せている。
またオートクチュールで使用されるダッチェス・サテンのさらに厚みのあるメガ・ダッチェスも、造形美を形作る素材として使用。彫刻作品を思わせるルックばかりで構成された、アーティスティックな側面が強調されたコレクションとなっていた。