ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)によるロエベ(LOEWE)は、ユネスコ本部を会場に2017-18年秋冬ウィメンズコレクションショーを行った。
過去2回までのコレクションの流れを汲み、ロエベのイメージする女性像を追求。暗く空虚なアパルトマンの中で、今後の方向性を模索する女性をイメージした。会場の中も暗かったが、それは光を当てたものにフォーカスされ、黒は全ての色を吸収しつつも対象物を浮かび上がらせる、と解釈したからだった。
チェックとポルカドットとジャカードがキーとなる要素で、チェックは50から60年代の雰囲気を出し、ドットは様々な大きさのものを組み合わせている。一見シンプルに見えるアイテムでも、実は職人技術をさりげなく取り入れているものも多い。ロエベの文字をレーザーカットして重ね縫いしたトップスなど、目を凝らすとその技術の高さが分かるアイテムも。
銀幕女優を想起させるロングドレスや、タキシードなどのテーラリングのスタイルを取り入れ、様々な要素を一つのコレクションに落とし込んでいる。非常にバリエーション豊かでありながら、ロエベが描く強い世界観によって統一感が生まれているから不思議だ。レザーにニードルパンチを施したバッグや、トーストをプリントしたテンガロン風のハットも登場し、相変わらずウィットに富んだアクセサリー使いも印象的。