芸術家のジョージ・シーガル（George Segal）は1924年11月26日生まれ。アメリカ合衆国・ニュージャージー州出身。2000年6月9日逝去。

養鶏業を営む一家に生まれ、ニューヨーク大学で美術を専攻。卒業後は家業を継ぐことになるが、間もなく芸術家としての活動を再開すると、58年に麻布で絵画と彫刻を組み合わせた作品を発表する。63年には現代美術の国際展覧会「サンパウロ・ビエンナーレ」で、アメリカ部門の「10人のアメリカ人彫刻家」に選ばれた。

一方で、61年には包帯に石膏を染み込ませ、それを身体に巻いて人の型を取る技法を考案。71年にはこれをさらに進めた「インサイド・キャスティング」を取り入れると、表情や服のシワまでもリアルに再現した作品を次々に発表した。実際の展示ではこれに古い家具や壁といった小道具が組み合わされ、そこに物言わぬ彫像が佇む様子が、日常生活に潜む空虚さを強烈に伝えている。この人体から直接型どりするという技法は、従来の彫刻における概念を覆すことになり、これによってシーガルはアメリカを代表する彫刻家として知られるようになった。

その後、シーガルは世界中で個展を開き、日本でも82年に国立国際美術館で大規模な展覧会を開催。高松宮殿下記念世界文化賞など、数々の芸術賞を受賞している。