仕事や家庭など、様々な場面で活躍する女性達を紹介するインタビュー企画「輝く女性の秘密」。第11回目は、弱冠30歳にしてパレスホテル東京のショコラティエールに就任した小林美貴(こばやし・みき)さん。
千代紙のような美しい和柄が印象的な「千代ちょこ」を始め、女性らしい華やかさと繊細さを兼ね備えたショコラはまさに“食べられるアート”。ショコラを通して、人々を幸せにするショコラティエールの仕事とは?小林美貴さんに話を伺いました。
――ショコラティエールを目指すことになったきっかけを教えてください。
もともとパティシエとしてキャリアを歩んでいたのですが、当時働いていたベルギーのパティスリー「ヴィタメール」でショコラに魅了され、ショコラティエールを目指すようになりました。その後、フランスの「フランソワ・ジメネーズ」で経験を積みました。
ショコラは形を自在に変化させることが出来たり、様々な食材とも相性が良く、色を付けられることも魅力。様々な可能性を秘めた素材なんです。作る工程はすごく地味ですが、完成したものは華やかでケーキとは違った良さがある。日本では高級なものというイメージが強いのですが、もっと身近なものとして浸透していくと嬉しいですね。フランスでは日常的にショコラを食べる習慣があるほど、生活に根ざしています。
――では、パレスホテルに入社した経緯は?
ロッテのチョコレートカフェ「シャルロッテ チョコレート ファクトリー」の立ち上げにショコラティエールとして関わった際、パレスホテルの方に会う機会がありました。ちょうどパレスホテル東京が新しく開業する時期で、声を掛けて頂いたのがきっかけです。ホテルのイメージ同様、ラグジュアリーなショコラを提案していく、というコンセプトを聞いてワクワクしたのを覚えています。また、ショコラ専用の部屋で作業が出来る、恵まれた環境にも心を動かされました。
――「ショコラティエールになってよかった」と感じる瞬間は?
自分にしか出来ない作品が作れた時は嬉しいですね。そして、それを見た方からの反響もモチベーションに繋がります。また、ショコラのご予約を頂いた時は、喜びもひとしおです。
――ショコラを作る際、最も重要なことは何ですか?
小さな1粒を1日で何千個も作ったり、同じ仕事を何時間も繰り返すこともあるので、持久力が一番大切です。また、ショコラのツヤを出すために行なうテンパリングという温度調節にも細心の注意を払っています。ショコラは農作物であり時間とともに状態も変化したり、香りが移りやすい等と繊細な食材でもあるので、取り扱いには気を付けています。
――商品や店頭ディスプレイのインスピレーション源となっているものは何ですか?
ショコラでお花を作るのが好きなので、フラワーアレンジメントはよく参考にしています。ショコラの周りに配するキラキラした飾りは、ネイルアートやクリスマスのオーナメントなどからヒントを得ることもあります。
――アクティブにお仕事を続けるための秘訣を教えてください。
楽しんで仕事をするよう心掛けています。リフレッシュしたい時は、海外旅行に行ったり、栃木県の実家に帰り自然の中に身を置くことも。友達と会ったり、スポーツをすることも気分転換になりますね。ショコラ作りには温度管理がとても重要。ですから、ショコラティエールも“自己管理出来ない人はなれない”と言われるほど。オンとオフの切り替えや、体型維持まで、バランスに気を付けて生活することが、仕事にも表れてきます。
そして、今の私があるのは上司の窪田修己さんのお陰。デザインのことから味のことから、何でも相談に乗ってもらっています。いつも見守ってもらっているという安心があるからこそ、自由に仕事が出来る。本当に感謝しています。
――ショコラティエールとしての次のステップは?
ショコラのことを更に勉強したいと思います。ショコラ作りは古くから分業制で、カカオを作る生産者、ショコラを作る工場、加工して商品化するショコラティエで成り立ってきました。ですが、最近はカカオの選別から全ての工程を手掛け、そこでしか手に入らないオリジナルティーのあるショコラを提案するショコラティエが増えています。私も産地や豆の種類などを勉強し、商品に反映させていきたいと思います。※小林さんは女性なので「ショコラティエール」(仏語の女性形)になりますが、一般的には「ショコラティエ」です。
――小林さんのショコラを買いに来てくれるファンに向けてメッセージをお願いします。
皆さんのご期待に応えられるよう、味はもちろんですが、目で見て楽しんでもらえるようなものを作っていきたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。
後半では、小林さんが製作されたショコラや、クリスマスのおすすめショコラを紹介していただきます。