「ザ・ダファー・オブ・セントジョージ(The DUFFER of St. GEORGE.)」の創立者のマルコ・ケアンズがブランド創立30周年のイベントに合わせ来日。滞在中の日曜日に行われた「ツイードラン東京2014」では、ニック・ウースター、トミー・トンらと共にゲスト参加し、自らオープニングフラッグを振った。今回のアニバーサリーでは、日本の各店舗ごとに記念アイテムを発売。キャットストリートの渋谷店では過去のアーカイブも展示された。
「(ザ・ダファー・オブ・セントジョージが)30年も続くなんてスタートした当時は考えてもいなかった。始めはレッドウイングのブーツやカーハート、ビンテージの古着などのセレクトショップとしてスタート。オリジナル商品はジョン・スメドレーに別注で発注したニットが最初だった。一番記憶に残っているアイテムは90年頃に出したヤーディーガーディーっていうカーディガンかな」とマルコは当時を振り返る。
当時、『ID』『フェイス』などロンドンのファッションマガジンがこぞって取り上げたこのスウェードでトリミングされたニットカーディガンは、ブリティッシュ・ジャマイカンのレゲエスタイルに影響を受けて作ったアイテムだという。「元々はイタリアで作られていたカーディガンだけれど、我々が復刻してスタイリストのレイ・ペトリが流行らせたんだ。ダファーを代表するアイテムだと思う。今回も渋谷店でアーカイブを展示したよ。それと2006年頃に発表したバッファローチェックのダウンジャケットも思い出深い。カナダをロードトリップしているときにカナダのアウトドアブランドに影響を受けて作った。これももう一つの代表的なアイテムだよ」とマルコ。
一時はコベントガーデンを始め5店舗展開されていたロンドンのショップは現在閉店し、同ブランドの名前を冠する店舗は日本での展開だけだが、英国での親会社JDスポーツとの関係は良好。
「今のファッションのトレンドがダファーに向いているかどうかは分からないけれど、アメリカンビンテージというスタイルの軸をぶらさなかったことが30年ブランドを続けられた要因だと思う」と話す。
来春夏のコレクションのテーマも米国海軍が上陸許可を得て海岸でリゾートを楽しむスタイリング「CAPTAINS LEAVE」をテーマに水兵のサマーホリデールックが提案された。
「先週、イーストロンドンでも30周年のパーティーを行って、全然寝てないんだ。疲れているよ」と言いながらも、25年近くほぼ毎年来日している東京では、90年代のロンドンのストリートファッションを盛り上げた日本の友人達とも旧交を温めた。