現代美術家のジョージ・マチューナス（George Maciunas）は1931年11月8日生まれ。リトアニア・カウナス出身。1978年5月9日逝去。

第2次世界大戦中にリトアニアがソ連軍に侵攻されると、戦火を避けるためにアメリカへと移住する。ニューヨーク大学などで芸術や建築などについて学ぶと、卒業後は61年にマディソン・アヴェニューに「AGギャラリー」を設立。しかし、間もなく経営が悪化すると、西ドイツへと移住した。

62年にマチューナスはヴィースバーデン市立美術館で「フルクサス国際現代音楽祭」を開催。このコンサートは大きな反響を呼び、ヨーロッパ各地を巡回することになった。その後、マチューナスはニューヨークに戻ると、芸術家の作品を販売しながら、彼らを支援する活動を行うようになる。それは芸術家による共同体を作ることを目的としており、後に“フルクサス”と呼ばれるようになった。とりわけ、マチューナスが注目していたのはパフォーマンスアート“ハプニング”を発表していた芸術家達で、彼らをまとめたグループを組織化しようと試みている。

また、60年代に入ると、マチューナスは改造したロフトを芸術家に廉価に払下げる“ソーホージング・コーポレイティヴ”に着手。これは、ソーホーを芸術家の街へと変貌させるきっかけとなっている。さらに、77年にはマサチューセッツでアーティストが共同生活する場所を作ろうとするが、その翌年に体調を悪化させて死亡した。