伊勢丹三越HDは3月6日の伊勢丹新宿本店リモデル・グランドオープンの2階婦人服リアルクローズのフロア全容を発表した。今回のリモデルでは、雑貨の構成が大幅に拡大されている。
今回のリモデルで2階は東京ならではのトレンド発信型フロアの特性を強化。2機のエスカレーターを回遊する空間としてフロア中央に設けられたプロモーションスペースの「パーク」では洋服だけでなく、雑貨やカルチャー系アイテムの展開が大幅に増加し、これまで百貨店の一等地であった2階エスカレーター脇に生花、ジュースバーが導入されるなど、売り上げ効率の常識を越えた新たな挑戦もポイントとなっている。
センターパークには、これまで百貨店が獲得できていなかったノンカスタマー層へのアプローチとしてトーキョーカルチャーを世界的に発信するデザイナーやクリエイターを展開する「TOKYO解放区」、ウエストパークには60年代、70年代からのファッションを代官山 蔦屋書店とコラボレートして品揃えする「DECADE」といったコンセプトショップを設置。いずれも1、2週間を基本にテーマを違えてイベントが提案される。
「TOKYO解放区」ではオープニングに「ジェニーファックスファーム」として東京コレクションでも注目されている同ブランドのデザイナー、シュエ・ジェンファンがディレクションする女の子の世界観が、ザ・バージンメリーやドールメナジェリーなどとともに表現される。一方、「DECADE」では「レトロフューチャー」をテーマにオープン時にはツイッギーをイメージした商品が構成される。
また、ウエストパーク内には今回、ジュースバー、フラワー、ギフトのスペースを新たに導入。約90ブランドを展開する新編集ショップ「レディ フォア ザ ウィークエンド」を中心とした「アーバンクローゼット」のゾーンと連動させ、家庭を持ち、子育てをしつつ洗練された日常を過ごすアーバンマザーをターゲットに、売り場中央にコミュニケーションスペースをゆったり取った贅沢なライフスタイルショップ型売り場を構築。同店で衣食住をワンストップでまかなう顧客に向けて、新たな提案を図る。
さらに「TOKYOクローゼット」として、3階のリ・スタイルに大人の可愛さとTOKYOの最旬の要素をプラスした新編集ショップ「リ・スタイルTOKYO」を展開。「カオン」「ラウラ」「フローレント」「APC」「ポール&ジョー」「プランピーナッツ」など約50ブランドで、若手デザイナーのインキュベーション機能を包含しつつ構成。さらに東京デザイナーの編集ゾーンとして「ミントデザインズ」「ビューティフルピープル」「シアタープロダクツ」「ツモリチサト」「カバン ド ズッカ」「リミフウ」「トリコ コム デ ギャルソン」「ジュンヤワタナベマンピンク」などで構成。同ゾーンに海外ブランドとして「ヴィヴィアン・ウエストウッド レッドレーベル」「「マーク バイ マーク ジェイコブス」「アニエスベーファム」が併設され、アクセサリーのゾーンは「イーエム」「キューポット」「ドレス ア ドレス」などで構成される。
それ以外にも約30ブランドのデニムをベースにしたスタイリングを展開する「グローバルクローゼット」では、今回約20年ぶりに復元される1、2階吹き抜けの奥に、コーヒーとシャンパンを提供するバーを併設するなど、物販以外にさまざまな体験型スポットを設置しているのもこれまでなかった試み。
「イセタンガール」は百貨店の難易度が高まっているピュアヤングのゾーンを、同店顧客のお嬢様層をターゲットにシフト。家庭の中で醸成されるカルチャーを基本に、五つのゾーンに分けた売り場が構成される。
さらにフロアによっては20箇所以上設置されている「アートフレーム」と、全館で年間1500から2000予定されているというイベントで、今回の再開発のテーマとなる「世界最高のファッションミュージアム」の具現化を打ち出していく。