2016春夏コレクションまでアーティスティック・ディレクターを務めたアルベール・エルバスが去り、初のコレクションとなるランバン(LANVIN)が3月3日、パリ・カルノー高校の体育館を会場に2016-17秋冬シーズンのショーを開催した。
デザインはスタジオチームによる。80年代的なシルエットに、ジャンヌ・ランバンのアーカイブから引用した様々なモチーフ、そして19世紀のヴィクトリアン期のシルエットを加えてモダンに仕上げている。ドレーピングが美しいワンショルダーのワンピースや、2トーンのタフタをあしらったラッフルのミニドレスなど、エルバスの影響を色濃く残したアイテムも散見されたが、80年代というキーワードに沿って思い切った変化を遂げているのが特徴だ。
大きなラッフルが揺れるスカートを合わせたキルティングのスーツや、ジャカード素材のジャケットとベルベットのハイウエストパンツのセットアップなどは、時代感を存分に味わうことのできるアイテムだが、ドロップショルダーにしたり、ややオーバーサイズにするなど、バージョンアップさせる工夫がなされている。ラッフルを飾ったレースのパッチワークドレスや、メタリックレースのパッチワークブラウスなど、このブランドらしい贅沢な素材使いのアイテムが目を引く。
襟に極彩色のペイズリーを刺繍したジャケットとプリーツスカートがラストルックとなり、最後までブレることなく80年代を貫いた。