鳥取とりっぷ、はじめます。砂丘だけじゃない、ユニークな海山を前に思ったこと【鳥取の旅 prologue】

2016.03.19
鳥取と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?砂丘、二十世紀梨に松葉ガニ。それに、砂丘を舞台にした写真で知られる写真家・植田正治の名があがるかもしれない。それに、日一人口の少ない県であり、日本で最後にスターバックスがオープンした県という事実もある。

今月16日に表参道ヒルズで行われた山縣良和の16-17AWのショーに際し、彼が故郷・鳥取を訪ね、鳥取の作り手たちの技と共に『gege(ゲゲ)』と題された漫画家・水木しげるにオマージュを捧げるコレクションの制作過程に同行させてもらった。そう、忘れてはならないゲゲゲの鬼太郎の生みの親、水木しげるも鳥取の出身である。

鳥取に足を運んでみると、日本海に面し多様な生物が暮らす海、砂丘に代表されるように地形のユニークさが作り出す希有な景観を有する自然に恵まれた土地だということがよくわかる。また、滞在中一度もその頂上を見せてくれなかった移り気な秀峰・大山を望み、日本の民藝運動を語る上で欠かせないプロデューサー吉田璋也の影響を色濃く残す鳥取は自然と文化に愛された土地だということが感じられた。

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鳥取砂丘でらくだとこんにちは


FASHION HEADLINEでは、鳥取で訪ねた因州和紙、モルタル細工(砂像製造)、中井窯、延興寺窯について数回に渡りお届けしたい。この連載は、リトゥンアフターワーズデザイナーの山縣良和さんからのひょんなお誘いから、彼の故郷鳥取でのコレクション制作過程に同行するところからはじまった。

仕事柄、国内の様々な土地に足を運ぶことも多い。そこで度々耳にするのが「ここには何もないから」という言葉。だが、一度たりとてそこに何もなかったことなどない。東京で日々を送る私にとっては、山からの風の冷たさや、踏みしめる土の湿気を帯びた柔らかさなど、どれをとっても新たな刺激となってくれるものであった。

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夏になれば地元の子供たちが海水浴をする浦富海岸


3度に渡って訪ねた鳥取にも、土地が育んできた文化や歴史が染み渡っており、まだその魅力の一部に触れただけだと思っている。実際には、その土地に足を運んでもらうことが何より伝わる手法と知りながらも、今回訪ねた鳥取の作り手たちの物語を綴りたいと思う。

次回は、因州和紙を手掛ける中原商店をデザイナー山縣良和さんと訪ねる。

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【鳥取のvol.1】因州和紙・中原商店「伝統と伝承は違う」―リトゥン山縣さんと故郷・鳥取を訪ねる(3月19日公開)

【鳥取の旅vol.2】因州・中井窯ー引き算で生まれた緑・白・黒の器(3月21日公開)

【鳥取の旅vol.3】鳥取・延興寺窯ーたとえ二流の土でも、一流の美を作りたい(3月21日公開)

【鳥取の旅vol.4】JAXAからの資金援助を受け、月や火星の砂を固めるプロジェクトにも挑戦する「モルタルマジック」(4月12日公開)
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Shigematsu Yuka
  • 何度来てもソワソワする。不思議すぎる地形、鳥取砂丘。この場所も海流や地形が生み出す特異な光景だ
  • 鳥取砂丘でらくだにこんにちは
  • 言わずもがな、鳥取砂丘
  • 鳥取とりっぷ、はじめます。砂丘だけじゃない、ユニークな海山を前に思ったこと【鳥取の旅 prologue】
  • 鳥取の西端境港市の弓ケ浜をむぎばんだ遺跡からの望む
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