3月2日、ドリス ヴァン ノッテン(Dries Van Noten)がサン・ラザール駅の北側に位置する、フランス国鉄により19世紀中頃に建立された建築物を会場にショーを開催した。
20世紀初頭に社交界を賑わせたルイーザ・カサッティ夫人と当時の恋人で詩人のガブリエーレ・ダヌンツィオに着想を得ながら、様々な因習にとらわれない生き方をしたギャルソンヌ、カサッティ夫人が住居提供をしていたとして縁の深かったバレエ・リュス(=ロシアバレエ団。セルゲイ・ディアギレフが設立。ニジンスキーなどの伝説的ダンサーを輩出)の要素や、ヘルムート・ニュートンが撮影したイヴ・サン・ローラン(Yves Saint-Laurent)のスモーキングのイメージも織り交ぜて、重厚感溢れるコレクションとなった。
一つのルックの中にエンブレムを配したクラブジャケットとアニマルファーのコートを組み合わせるなど、それぞれダヌンツィオのダンディズムとカサッティ夫人のエキセントリックさをミックス。ルームウェアやパジャマの要素を配しているのも今シーズンの特徴で、パールプリントのファブリックで仕立てられたり、パール刺繍が施されたり。最終ルックはスネークモチーフのドレスで、これは、カサッティ夫人が宝石代わりに本物のヘビを首に巻き付けてたとする伝説に由来している。
当コレクションのメークにも影響を及ぼした、ジル・バットンによる手描きイラスト入りの招待状も話題に。