ケイタ マルヤマ(KEITA MARUYAMA)が16-17AWコレクションを3月14日に発表した。タイトルは「夜へ」。デザイナーの丸山敬太がイメージしたのは、ダークファンタジーの世界。夜だけしかない国の住人や、夜に見る夢の登場人物たちの装いを、クラシックなエッセンスを効かせたリアルクローズで表現したコレクションだ。
ネイビーと黒をベースにしたシックなドレスやセットアップに、スパンコールの星がまたたき、水玉のチュールがコケティッシュな魅力を放つ。黒猫やコウモリやカラスなど、ラッキーチャームでもありながらダークなイメージを持つモチーフが、レースの柄に落とし込まれたり、影絵のようなプリントの中に見え隠れしたり。冬の花々が咲き乱れる艶やかなプリントには、黒のチュールが影を落とし、夜明けを待つフラワーガーデンのようだ。
今回メイドインジャパンの素材にこだわり、日本の職人と一緒に生み出したオリジナルな生地を多く使用。立体的な構造を持つジャカード生地は、夜の闇の中にきらりと光る星空のイメージを表現するため、10種類以上の糸をミックスして織り上げた自信作だという。
アイテムは、レディライクなワンピースやセットアップ、ワイドパンツ、コクーンシルエットのコートなど。クラシックなムードの中に、“化け猫”がユーモラスな表情をのぞかせるファーのショールやバッグ、きらきら輝くチャンキーヒールのパンプスやブーツを組み合わせて、遊び心たっぷりなモダンなバランスのスタイリングに仕上げた。リッチでありながら、少女のような遊び心も併せ持つスタイルは、ケイタ マルヤマならでは。
後半は一気に明るいパステルカラーの世界へ。ピンクやグリーンのサテンやフェザー、カラフルな宝石プリント、チャイナ刺繍などを用いて、くるみ割り人形の宝石の精が見せる一時の夢のような世界が繰り広げられる。ケミカルな発色が持つ毒々しさや軽やかで楽しい雰囲気に、東洋の国の神秘的なエッセンスが交わった、ファンタジックなルックが続く。そこには、「ファッションはファンタジー。ルックとしてリアルでありながら、ファンタジーをかきたてるような服を作りたい」というデザイナーからのメッセージが込められている。
会場には、グラミー賞受賞シンガーのグウェン・ステファニーも来場し、ファッション・ウィーク初日の夜を盛り上げた。